硬貨への刻印
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 07:40 UTC 版)
「エ・プルリブス・ウヌム」の記事における「硬貨への刻印」の解説
エ・プルリブス・ウヌムが初めて刻印された硬貨は、ニュージャージー州の認可のもと、トマス・ゴーズビーとアルビオン・コックスにより1786年、ニュージャージー州のラーウェイで鋳造された。独立以後ラーウェイは、エ・プルリブス・ウヌムの銘が刻まれた硬貨を作製する最初の造幣局の本拠地となった。 このモットーとニュージャージー州の間にはなんらの関係もなかったが、前年にウォルター・モールドが連邦貨幣の制度を提案して失敗しており、おそらくその際の鋳型を再利用したものと思われる。ウォルター・モールドはまたニュージャージー州により州の銅貨を鋳造する認可も得ており、1787年初め、ニュージャージー州モリスタウンで硬貨製作を開始した。マサチューセッツ州アクスブリッジ出身のセス・リード中佐は、エ・プルリブス・ウヌムの句を合衆国硬貨に刻印するよう尽力したと言われている。セスとジョセフのリード兄弟は1876年3月、マサチューセッツ立法議会の上下両院に銅貨と銀貨の鋳造許可願いを申請し、「認可された」。 アメリカ合衆国の通貨に書かれたエ・プルリブス・ウヌムは、ほとんどが大文字である。ダイム硬貨の裏面など、文字の隙間に関する特殊例もある。ドル硬貨のように、側面に刻印されている場合もある(流通している硬貨や紙幣を参照のこと)。 アメリカ合衆国財務省によれば、エ・プルリブス・ウヌムのモットーが初めて合衆国硬貨に刻印されたのは1795年のことで、5ドル金貨( half-eagle )の裏面にはアメリカ合衆国の国璽の主要な要素がデザインされていたという。モットーは1798年に特定の銀貨に刻まれたが、ついで金銀の貴金属を使ったすべての硬貨に刻まれるようになった。1834年にはモットーがほとんどの金貨で省略され、代わりに硬貨の標準純度が表示されるようになった。1837年には銀貨で省略され、Revised Mint Code の時代が表示されるようになった。1873年2月12日制定の法で、合衆国の硬貨の必要条件が決定された。 2007年に作製が始まった大統領1ドル硬貨を含め、現在鋳造されている硬貨のすべてに、エ・プルリブス・ウヌムの句が刻印されている。大統領硬貨の場合、エ・プルリブス・ウヌムのモットーは、「 In God We Trust 」、鋳造年、ミントマークとともに側面に刻印されている。 2007年には、フィラデルフィア造幣局の品質管理ミスにより、モットーが側面に刻印されていない硬貨が流通した。この硬貨は現在コレクターズアイテムとなっている。 2009年、2010年、2011年のペニー硬貨の裏面デザインが新しくなり、エ・プルリブス・ウヌムの文字がそれまでよりも大きくなった。2011年のクォーター硬貨も同様である。
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