田代発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 15:54 UTC 版)
高千穂発電所に続いて竣工したのは耳川の田代発電所(現・西郷発電所)である。発電所所在地は宮崎県東臼杵郡西郷村大字田代(現・美郷町西郷田代)。元々住友財閥が当主住友吉左衛門名義で水利権を取得していた地点で、1926年8月より住友家より委託を受けて九州送電が工事を担当し、1928年(昭和3年)1月に本工事起工、1929年12月14日に竣工させた。翌1930年(昭和5年)5月、九州送電はこの発電所に関する水利権を住友吉左衛門から譲り受けている。 発電所の取水口は上流の西郷村大字小原(現・美郷町西郷小原)にあり、耳川本流を横断するダムの右岸から取水する。取水地には耳川をせき止めた貯水池が付属している。主要設備は電業社原動機製造所製フランシス水車・芝浦製作所製交流発電機各2台で、発電所出力は8000キロワットである。 田代発電所からは高千穂変電所に至る亘長35.4キロメートルの66キロボルト送電線が整備された。また女子畑発電所から東邦電力久留米変電所(福岡県久留米市)に至る45.4キロメートルの66キロボルト送電線を整備し、九州水力電気に続いて1929年12月21日より東邦電力に対する電力供給を開始した。ただし供給電力の周波数が九州送電・九州水力電気と東邦電力で異なることから需給関係は複雑で、周波数を60ヘルツに設定する東邦電力は九州送電の50ヘルツの電力を直接受電せず、九州水力電気女子畑発電所などの一部発電機を60ヘルツで運転させ、この電力に振り替えた上で久留米変電所で受け取る形をとった。
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