甕棺墓とは? わかりやすく解説

甕棺墓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/13 09:41 UTC 版)

甕棺墓(かめかんぼ)とは、(かめ)や(つぼ)を(ひつぎ)として埋葬するをいう。歴史的墓制として世界各地に見られるが、乳幼児の墓として用いられる例が多い。1個の甕に土器などの蓋をするもの(単棺)、2個の甕を開口部で合わせたもの(合口棺)などがある。気密性を確保するため、蓋や合口部を粘土などで固定することも多い。甕棺内部では、遺体を屈める屈葬(くっそう)の形態がとられる。屈葬及び甕棺の採用には、死者の魂を遺体にとどめておこうとする思想背景があった、と考える研究者もいる。考古学者である小林謙一によると甕棺墓は他の墓制より非常に作りやすいため、アジア各地に現れた甕棺墓は互いに密接な関連はなく偶然に各地で自然発生した可能性が高いと言う。[1]


  1. ^ 「縄文はいつから!? 地球環境の変動と縄文文化」新泉社 2011年
  2. ^ 「吉野ヶ里遺跡の紹介 > 甕棺墓列 > 発掘調査」、吉野ヶ里遺跡、2017年9月2日閲覧
  3. ^ 「吉野ヶ里遺跡の紹介 > 北墳丘墓 > 発掘調査、保存」、吉野ヶ里遺跡、2017年9月2日閲覧


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甕棺墓

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弥生時代の墓制」の記事における「甕棺墓」の解説

詳細は「甕棺墓」を参照 甕棺墓(かめかんぼ)は、甕・壺をとする墓である。弥生時代前期中期北部九州で非常に顕著に見られる。 甕棺墓は縄文時代から一部見られていたが、甕棺小型であり多く乳幼児葬送であった考えられている。弥生時代前期北部九州において、成人埋葬用に大型甕棺製造され始め、甕棺墓が定着し始める。この頃は、支石墓直下甕棺埋葬する形態見られた。弥生時代中期に甕棺墓は最盛期迎える。主として糸島市付近福岡市付近佐賀県神埼郡付近などに分布していた。弥生時代後期から衰退し末期にはほとんど見られなくなる。このような変遷は、地域社会大きな変貌があったと考えられる弥生時代の甕棺墓の特色は、成人埋葬した点、成人埋葬用に大型甕棺製造した点にあり、世界的に朝鮮半島南部大量に、そして中国長江中流域遺跡には若干見られ、非常に珍しい墓制とされている。甕棺は、各時期ごとに共通点持っており、甕棺製造する特定の場所があったと想定されている。また各時期ごとの共通点元に研究者によって緻密な編年体系が構築されている。 甕棺粘土作成し地面燃料となる厚く敷いた上に置かれ、さらに上に厚く敷き詰め、その上部を粘土ドーム状に被って焼かれる上部ドーム破壊され内部甕棺取り出して使用する成人用の甕棺割れないように作るには有る程度技術が必要であった甕棺内部では、膝を折った形の屈葬くっそう)がとられることが多かった屈め遺体甕棺密閉することで、死者の魂を閉じこめようとする思想があったのではないか考え論者もいる。また、副葬品を伴う甕棺遺体のみの甕棺とがあり、社会階層分化表れだと推定されている。

※この「甕棺墓」の解説は、「弥生時代の墓制」の解説の一部です。
「甕棺墓」を含む「弥生時代の墓制」の記事については、「弥生時代の墓制」の概要を参照ください。

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