環境特性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/31 06:53 UTC 版)
葉上で有機物は微生物細胞に吸収されて別の化合物として再び葉上に放出されるため、葉圏の環境と物質移動は基本的に変化しない。葉圏は微生物にとって「砂漠のような環境」と表現されるほど過酷である。 葉の表面は疎水性のエピクチクラワックスで覆われており、細菌が利用可能な栄養素や水分に乏しい。 大気由来の花粉や窒素化合物および虫由来の甘露は栄養源となる。 圏微生物が利用可能な水分が頻繁かつ急速に変化する。これは、雨や霧などの天候および露から水分が供給されるためであり、かつ、水分濃度は葉の表面構造や湿潤性に大きく依存するためである。 気候や気温の影響を直接受けるため、温度が短いスパンで劇的に変化する。 有害な紫外線に頻繁かつ長時間さらされている。 葉の表面の環境特性は局所や時期で異なる。気孔、毛茸、表皮細胞の窪地では地形や保水性、植物の分泌物が異なる。気孔周辺や毛茸基部周辺、表皮細胞の接合部の窪地は、細菌が各種ストレスから身を守りやすい部位(protected site)と考えられている。葉圏微生物は通常、葉のクチクラ層で生息する。この場所は非常に複雑な三次元結晶構造を有し、植物の生長に従いその構造を変化させる。したがって、葉圏微生物の遺伝子型や表現型は多種多様である。
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