エコ新幹線
来年夏、東海道・山陽新幹線に登場する新幹線の新型車両「N700系」は、2002年6月からJR東海とJR西日本が共同で開発を進めてきました。速達性、快適性、環境性能、省エネルギー化などあらゆる面でグレードアップを図り、次世代新幹線と呼ぶにふさわしいハイテク車両となっています。最高速度は初代0系より50キロも速い270km/h(山陽区間:300km/h)。3割以上の消費電力量の削減を実現しました。また、走行中に無線LANによるインターネット接続や、車内の静音性など魅力がいっぱいです。
新幹線として初めて空気バネを活用した車体傾斜方式を採用、新ATC(自動列車制御装置)や制御伝送と組み合わせることで、高性能・高信頼性の「車体傾斜システム」を開発しました。従来は遠心力による車体の傾きを抑えるため、曲線区間では減速し、カーブを抜けると再加速しなければなりませんでした。この減速と加速の繰り返しをできるだけ無くすことで消費電力を減らすことが可能になりました。
東京〜大阪間の移動を航空機と比較した場合、N700系は、エネルギー消費量5分の1、CO2排出量は何と8分の1です。現在、東京〜福岡間は、飛行機の利用が9割。新幹線の利用者は1割しかありません。やはり金額よりもやはり時間。しかし環境意識が高まる中、利用者が交通機関を選択する際、環境特性は大きな選択要素といえます。貨物輸送が主流のモーダルシフトは旅客輸送にも浸透してくるかも知れません。
(掲載日:2006/12/22)
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