現在の文楽人形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 05:45 UTC 版)
文楽人形には、男女のほか、年齢・身分・性格によって「かしら」が異なり、それぞれ以下のような種類がある。 男性のかしら 男性的で哀愁を帯びた強さがあらわれている立役、検非違使・剣菱(けんびし) 嫌味で卑屈な表情の端敵役の陀羅助(だらすけ) 三枚目の敵役、与勘平(よかんぺい) 正直な町人、又平(またへい) 慈愛に満ちた心を持つ老武士、鬼一(きいち) 20代前後の二枚目役、源太(げんだ) 10代の恋愛ものの相手役に用いられる、若男(わかおとこ) 40代から50代頃の武将で、聡明繊細な表情を浮かべた孔明(こうめい) 時代物の豪快な武将、金時(きんとき) など 女性のかしら 14、5歳の未婚女性他に用いられる、初々しい表情の娘(むすめ) 20代から40代の幅広い女性に用いられる老女形(ふけおやま) 最高位の遊女としての気品と色気、芯の強さを持ち合わせた女性のかしらで、最も華麗である傾城(けいせい) 三枚目役のお福(おふく) など 素材は木曽檜を用い、眉(アオチ)・目(ヒキ目・ヨリ目)など動くものには仕掛けを、また内部にうなづき糸をつけるなどして、表情を豊かにする工夫が施されている。かしらを動かすための操作索には鯨ひげが使われる。 人形の衣裳はそのつど脱がされ、かしらと別々に保管されている。よって使用する際には、人形遣いは自分で遣う人形の衣裳をつけることが必要となる。それを、人形拵えという。
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