漫画作品の関連事項
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 06:48 UTC 版)
のらくろの姿は、アメリカのアニメ『フィリックス・ザ・キャット』の黒猫フィリックスにヒントを得て発想されたもので、犬種としてのモデルは毛並みの色合いからボストン・テリアと誤解されがちであるが雑種である。 幼年教育社の尋常小学一年に掲載された芳賀まさをの『チビクロ』は擬人化された犬の軍隊が舞台で小柄な黒犬が主人公というのらくろを模した内容と成っている。のらくろの息子のチビクロとは別物。 手塚治虫の「ユニコ」に登場する猫・チャオものらくろと同じ模様をしている。境遇も同じで箱に入れられて川に流されて捨てられている。手塚自身ものらくろを題材にパロディー漫画を描いている。 漫画のコマで、歩行、走行などの動きを表現する手法として、後方に「土煙」(楕円の側方に太い棒のついたようなもの。棒の向きで動く方向を表し、速いものほどその個数が多い)が用いられた。これは、アメリカのコミックにすでに用いられていた表現である。後に手塚治虫がそれをヒントにヒョウタンツギにしたといわれるが、のらくろによるものか、アメリカからの直輸入かは不明。テレビアニメのエンディングでは、のらくろがこれを不思議に思ってつまみあげたり、七輪で焼いて食べた後に歩き出すと再び発生するというシュールなギャグが挿入された。 田河や「のらくろトリオ」以外の作品ではあるが、1988年に「くまの歩」によりマンガ『のらくろファミリー』が描かれている。のらくろの息子、黒太郎を主人公にしており内容は『のらくろ喫茶店』の続編と思われる設定だった。 作者ゆかりの東京都江東区森下文化センターに「田河水泡・のらくろ館」(運営:公益財団法人 江東区文化コミュニティ財団)があり、近くの高橋商店街は「高橋のらくろ~ド」と名付けられている。開館5周年の2004年12月18日より、のらくろは江東区の文化親善大使に任命された。また、その親しみやすさから、運送会社「丸運」のイメージキャラクターにもなっている。 物語中に当時の民俗的資料となる物語が散見される(初午祭りなど現在ではほとんど実施されていない行事が描かれている)。 のらくろの犬種としての名前は存在しないが、特徴から「四つ白」と呼ばれ、縁起が悪いとされていたそうである。その為に生まれてもすぐ捨てられていたという。 作者が一時居住していた縁で東京都北区田端の田端小学校前に、のらくろをモチーフとしたデザインマンホールが1箇所設置されている。 のらくろのテーマ曲として、軍歌「勇敢なる水兵」のメロディーに歌詞を付けた「のらくろの歌」が作られた。この曲は、キングレコードから発売された児童劇レコードの劇中でも歌われた(詳細は勇敢なる水兵#替え歌を参照)。
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