漁業権の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 09:26 UTC 版)
漁業権漁業は、以下の3種に大別される(漁業法6条2項)。漁業権から派生する「入漁権」に基づく漁業も分類上含む。定置漁業権、区画漁業権の2種については、免許を受ける漁業者個人が権利主体となり、共同漁業権、特定区画漁業権については、免許を受ける漁業協同組合(漁協)あるいは漁業協同組合連合会(漁連)が権利主体となる。 漁業者以外がレクリエーションとして魚を釣る場合もあるため、「遊漁券」には切符形式の1日漁業権もある。 定置漁業権 一定期間、一定場所に網その他の漁具を敷設・定置して漁業を営む権利(同法6条3項)で、以下の種類がある。身網が水深27 m以上(沖縄県では15 m以上)の大規模定置網漁業(例外として、瀬戸内海におけるマス網漁業、陸奥湾における落網漁業およびマス網漁業) 北海道で、さけを対象とする定置網漁業 上記以外の小型定置網漁業は、第二種共同漁業権に分類される。免許期間は5年。 区画漁業権 一定の区域内で水産動植物の養殖業を営む権利。3種に分かれる(同法6条4項)。免許期間は10年。第一種区画漁業 一定の水域内において石、かわら、竹、木等を敷設して営む養殖業。ひび、かき、真珠、真珠母貝、藻類、小割式の各養殖業がある。 第二種区画漁業 土、石、竹、木等によって囲まれた一定の水域において営む養殖業。魚類、えびの各養殖業がある。 第三種区画漁業 第一種及び第二種以外の養殖業。代表的なものとして貝類養殖業(地まき式を含む)がある。 以上のうち、ひび、藻類、真珠母貝、小割式、かき、貝類の6種については入漁権が設定可能であり、「特定区画漁業権」と総称される。特定区画漁業権については免許期間は5年。 共同漁業権 一定地区の漁民が、一定の漁場を共同に利用して漁業を営む権利。以下の5種に分かれる(同法6条5項)。免許期間は10年。第一種共同漁業 藻類、貝類、いせえび、うに、なまこ、餌むし、たこ等、農林水産大臣が指定する定着性の水産動植物が対象。 第二種共同漁業 網漁具を固定して来遊する浮魚をとる漁業。小型定置網、固定式刺網、敷網、ふくろ待網の各漁業がある。定置漁業権に該当するものは含まない。 第三種共同漁業 地引き網、地こぎ網、船曳網、飼付、突磯の各漁業。 第四種共同漁業 寄魚、鳥付こぎ釣の各漁業。 第五種共同漁業 河川、湖沼の内水面において営む漁業で、第一種共同漁業に該当しないもの。あゆ漁業、こい漁業、うなぎ漁業、どじょう漁業、なまず漁業が代表的。内水面は海面と比較して資源が乏しいことから、遊漁規則に関する条項や増殖義務を課すなど、増殖および資源管理に対する指向は、他の漁業権と性質を異にしている。
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