水門の構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/20 14:39 UTC 版)
現在日本で設置されている水門の多くは、ローラーゲートといわれる門扉方式を採用している。ローラーゲートは、鋼鉄などでできた開閉用ゲートの板に、ローラが付いたもので、それをワイヤロープなどによって垂直に持ち上げて上下に開閉する。ローラーが付いているため、摩擦抵抗が少なく大きな水圧がかかる大規模な水門にも利用できるほか、構造上止水が容易で信頼性が高いため河川構造物ではよく用いられている。 このほかには、スルースゲート(ローラーがなく単純に板を上下に動かすだけ)、マイターゲート(観音開き式で上部構造物がなくても良いため、運河などで利用される)、セクターゲート(蒲鉾型の扉体が回転する方式。ラジアルゲートともいう)などの方式がある。 2011年の東日本大震災において、三陸地方では津波を防ごうと防潮堤の水門操作に駆け付けた消防団員に多くの犠牲者(岩手県内で48人)が出た。このため岩手県は計画中を含む水門・門扉約520基のうち4割程度(約220基)をJアラートに連動した自動閉鎖式とする。こうしたシステムは南海トラフ巨大地震による津波襲来が想定されている和歌山県や三重県でも一部導入されている。 こうした人による操作を必要としない水門では、水の浮力や津波、高潮の力を利用して陸上・海底から自動的に起き上がるフラップゲート式も実用化されている。
※この「水門の構造」の解説は、「水門」の解説の一部です。
「水門の構造」を含む「水門」の記事については、「水門」の概要を参照ください。
- 水門の構造のページへのリンク