末梢性めまい
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 16:41 UTC 版)
末梢性めまいは前庭性と内耳性に分けられる。前庭性めまいは原則として耳鳴りや難聴を伴わないものである。良性発作性頭位眩暈症(BPPV)や前庭神経炎が含まれる。内耳性めまいは原則的に耳鳴り、難聴を伴う。メニエール病や突発性難聴、アミノグリコシドなどの薬物性や梅毒などが含まれる。末梢性めまいは突発性難聴以外は緊急性が殆どないものの、突然歩けなくなるほど気分が悪くなり、嘔吐することも多く患者の苦痛は強いので診断を急ぐのではなく、まずは症状をとる治療を行うべきである。全体的に低気圧のときに多いといわれている。 前庭系について 前庭系は視覚および筋、関節からの固有感覚とともに体の平衡をつかさどるといわれている。前庭感覚器は内耳にあり三半規管と2つの耳石器からなる。三半規管の受容器をクプラという。三半規管は頭の回転運動を感知し、耳石器は重力や直線加速を感知する。これらの受容器が刺激されると前庭神経に活動電位が生じ、聴神経を経て前庭神経核と小脳室頂核に伝わる。前庭神経核からは前庭脊髄路を経て内側縦束(MLF)側頭葉、脊髄小脳路への出力がある。前庭系の検査としてはpast-pointing試験や閉眼足踏み試験が知られている。past-pointing試験では座位で両上肢を高く挙上し、水平まで戻す。閉眼で何回も繰り返し一側に偏奇した場合はpast-pointing陽性であり、偏奇した側の前庭系の障害である。閉眼足踏み試験では立位閉眼で両上肢を前方挙上し50回足踏みをする。一定方向に体軸が回旋すれば異常であり回旋した方向の前庭系に障害がある。
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