木馬
『木の馬』(グリム) 王子が空飛ぶ木馬に乗って見知らぬ国へ行き、そこで見た娘を木馬に乗せて、草原まで飛ぶ。王子が一休みして眠っているところへ強盗たちが来て、木馬と娘をさらって行く。王子もまた、別の強盗につかまって、異教徒の都へ売りとばされる。偶然にもその都には、さらわれた木馬と娘がいたので、王子は木馬と娘を取り戻し、自国へ飛び帰る。王子は娘を妃とし、やがて王位を継いだ。
『千一夜物語』(マルドリュス版)第414~432夜「黒檀の馬奇談」 ペルシアの王子が、空飛ぶ黒檀の木馬に乗ってイエメンの都に到り、宮殿に舞い降りる。王子はイエメン国王の姫君と出会って恋し合い、ペルシアへ連れ帰る。しかし、木馬を造った魔法使いが、木馬もろとも姫君を奪い、ルーム人の国へ逃げる。王子は姫君を捜して旅立ち、姫君と木馬を取り戻す。ペルシアの都で、王子と姫君の結婚の祭礼が催される。父王は、将来の心配の種を絶つべく木馬を打ち壊す。
『ドン・キホーテ』(セルバンテス)後編第38~41章 ドン・キホーテは、遠方のカンダーヤ王国まで空飛ぶ木馬で行くことを、貴婦人「悲嘆の老女」から依頼される。そして、高空で目をまわさぬため、着地時まで両眼をおおうよう注意される。実はこれは、ドン・キホーテをからかうための公爵夫妻のいたずらで、庭園に置かれた木馬の上で、ドン・キホーテとサンチョ・パンサが目隠しをして、飛行体験の感想を語り合うのを、大勢が面白がって見ているのだった。
『ギリシア神話』(アポロドロス)摘要第5章 オデュッセウスの発案で、内部が空洞の巨大な木馬が造られ、50人(別伝では300人)の兵が中に隠れる。木馬には「故郷への帰還の感謝のしるしに、これをアテナ女神に捧げる」と彫りつけ、ギリシア軍は陣地を引き払う。夜、トロイアの人々が眠った頃、木馬から兵たちが出て、トロイアの城内に攻め入る〔*→〔像〕11の『十訓抄』巻7-26の、石牛の物語に類似する〕→〔声〕2。
★3.回転木馬。
『何かが道をやって来る』(ブラッドベリ) 悪魔たちのカーニバル一座が、20年ないし40年に1度、町へやって来る。客が回転木馬に乗って1まわりすると、1年分年をとる。逆方向に1回まわれば、1年若返る。悪魔たちは、客を百歳以上の老人にしたり、生まれたばかりの赤ん坊にしたりして翻弄する。その後、客たちは一寸法師や骸骨などの畸形人間に仕立て上げられ、一座のメンバーにされてしまう。
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