木村定跡とは? わかりやすく解説

木村定跡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/10 09:42 UTC 版)

木村定跡きむらじょうせき)は、初代実力制名人木村義雄が発表した将棋定跡である。角換わりのうち、▲5八金型の先後同型腰掛け銀における定跡の一つであり、先手の勝利まで研究が終わっていることから、完成された定跡とも言われている。


注釈

  1. ^ △同玉は、▲1五香△1四歩▲同香△同玉▲2二歩△同金▲3六角で先手が優勢となる。
  2. ^ ここで△2四歩は、▲1三桂成△同玉▲1五香△1四歩▲同香△同玉▲1二角で先手勝勢。
  3. ^ △4三金右とする手は、▲3三歩成△同桂▲同桂△同金上▲2六桂と進めて先手優勢。
  4. ^ △同玉は▲2三飛成で万事休す、△1三玉も▲3三歩成が決め手となり、飛車とと金の何方を取っても先手勝勢。
  5. ^ ここで△8七飛成は、▲同玉△6六角成▲6七金△6五銀▲6六金△同銀▲6一飛で先手優勢。

出典

  1. ^ 居飛車党宣言
  2. ^ 角換わりの基礎知識3


「木村定跡」の続きの解説一覧

木村定跡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 02:39 UTC 版)

角換わり」の記事における「木村定跡」の解説

第1図 角換わり腰掛け銀先後同形持駒9 8 7 6 5 4 3 2 1 香 王 香 一 飛 金 金 歩 銀 歩 三 歩 歩 歩歩 歩 歩歩 歩 五 歩 歩 歩歩 歩 歩 六 歩 銀 歩 金 金 飛 八 香 玉 香 九 ▲持駒38手目△3三銀まで 詳細は「木村定跡」を参照 プロ角換わり指し手限定されるため、両者慎重に駒組み進めていく。その結果40手目△2二玉までに駒組み限界にまで達して手詰まりになる。ここで先手攻めなければ千日手(すなわち先後交替指し直し)なので、41手目先手攻撃開始余儀なくされる。この攻め成立するかが角換わり戦法焦点となった昭和30年代、この形に結論出したのが木村義雄であった。現在では、41手目から▲4五歩以下の先手攻めは、後手投了近くまで研究なされている。この41手目からの一連の指し手は木村定跡と称される。 木村定跡で先手優勢先手勝勢に近い)であるため、絶対に後手はこの形にできない。そのため39手目先手の▲8八玉の後、40手目後手から攻め込まざるをえないこうすると、木村定跡の応用後手指せることが分かった。つまりこの定跡先手▲8八玉の悪手後手が△2二玉の大悪手で返す形が前提だった。よって双方矢倉囲い中に玉を動かす前である39手目現在の角換わり腰掛け銀同型、第1図)に先手攻め込んだらどうなるかが課題となった。まだ昭和30年代には精緻な研究成されていないものの、若干先手指せるという見解強かったその後後述富岡流によって一連の変化では先手勝勢その他の変化でも先手が有利とされている。そのため、後手ひたすら千日手を狙う専守防衛構えをとった。第1図は『イメージ読み将棋観2』(2010年日本将棋連盟)では2009年から2010年だけでも20近く指される居飛車党にとって重要テーマとなっているが、平成以降から2010年まで先手戦績が160勝110敗、5割9分2厘となっていて、1998年以降限って先手2615となっており、2010年以降は、この後手陣の撃破困難なため、第1図の角換わり戦法局面採用されなくなった。どうしても先手攻めて後手が受けに回るという展開がはっきりしているためもあり、先手作戦に対してすべて対応する必要があるが、過去にある重要手順定跡一通り後手の受けが確立し研究進んでおり、新たな手順なければ先手をもって確実に攻めきれないことも分かっている。このため数十年以上長きにわたり指されているということで、それだけ難し将棋であるとされている。 藤井猛はこの将棋は何か1手新手発見されるとがらりと評価が変わるため、後手も5割勝てると思わなければこの局面避ける、棋士全員でこの局面指せ先手勝率は6割はいく、素人同士指せ間違いなく先に攻めた方が有利となるとしている。

※この「木村定跡」の解説は、「角換わり」の解説の一部です。
「木村定跡」を含む「角換わり」の記事については、「角換わり」の概要を参照ください。

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