有窓性毛細血管
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 04:21 UTC 版)
有窓性毛細血管または窓あき毛細血管(fenestrated capillary or pored capillary)では内皮細胞の核周囲部以外の部分が非常に薄く(厚さ20〜60nm)、多数のまるい、径50〜80nmの孔(pore)または窓(fenestration)があいている。血管の内外の物質透過の盛んな部位にみられる。すなわち有窓性毛細血管は腎臓、腸管、脈絡叢、内分泌腺など組織と血液間での迅速な物質交換を必要とする臓器でみられる。窓には薄い隔膜が貼っているのが一般的であるが腎糸球体にはこれがない。隔膜は単位膜構造をとらず、細胞膜よりずっと薄い。その化学的性状も働きもわかっていない。走査型電子顕微鏡でみると、窓あき毛細血管では核周囲部のふくらみから細胞質稜(cytoplasmic crests)が放散しつつ吻合し、それによって窓が分布する領域が縁取られている。この型の毛細血管も、内皮細胞は基底膜によって完全に取り巻かれている。窓も基底膜で裏打ちされている。
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