日本の台地を構成する地層
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:07 UTC 版)
地層は、地殻変動による地層の逆転現象などが無い限り、古い地層から新しい地層が深部から順番に重なって形成される(地層累重の法則)ため、どこからどこまでをもって台地の構成層とするかは議論する内容により異なるが、台地を構成する層としては、「基盤となる層」・「台地面形成層」・「被覆層」とに分けて考えると理解しやすい。中でも「台地面形成層」の土質・堆積環境(英語版)によって台地の分類が可能となる。 武蔵野台地を例とすると、「基盤となる層」は鮮新世~更新世前期に堆積した上総層群~東京層まで。これは「台地面形成層」を堆積させる土台となった地層である。 「台地面形成層」は更新世(洪積世)に多摩川が扇状地を形成した際に堆積させた武蔵野礫層である。よって武蔵野台地も「洪積台地」であり「扇状地性台地」に分類される。 「被覆層」は関東ローム層である。主に関東地方から東(静岡県東部から東北地方太平洋側および北海道にかけての東日本)に位置する台地上には火山フロント上に連なる火山から飛んできた火山灰が風化して形成された主に黄色~赤褐色をした地層であるローム層が「被覆層」として台地面形成層の上位に堆積している。また九州地方の多くや中国地方の一部にも火山より東側の地域に位置する台地上にローム層が堆積している。これら「被覆層」は、台地の平らさを形成するものではなく、平らさを形成するのは、あくまでも下位にある「台地面形成層」である。よって、地表面は同じ関東ローム層が堆積している複数の台地でもその形成年代は「台地面形成層」を調べることにより異なっていることが分かる場合がある(ローム層の年代測定結果と合わせて把握される場合もある)。
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