方言区画に関する諸見解とは? わかりやすく解説

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方言区画に関する諸見解

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 20:09 UTC 版)

朝鮮語の方言」の記事における「方言区画に関する諸見解」の解説

【図1】小倉進平方言区画 Ogura(1940)に依拠 1.平安道方言2.咸鏡道方言3.京畿道方言4.全羅道方言5.慶尚道方言6.済州島方言 【図2】李崇寧の方言区画 李崇寧(1967)に依拠 1.平安道方言2.咸鏡道方言3.中部方言4.全羅道方言5.慶尚道方言6.済州道方言 朝鮮語の方言区画李克「조선말의 사투리(朝鮮語の方言)」(1932年)に始まると言われる李克朝鮮語の方言5つ区分しているという。 ここでは済州島方言について言及がないが、半島部の方言中部西北部東北部西南部・東南部5つ区分する方法はこの時期からすで見られる済州島方言含めた朝鮮語の方言全体体系的な区分法小倉進平によってなされた (Ogura 1940)。小倉進平朝鮮語の方言を「平安道方言」(旧厚昌郡を除く旧平安南北道)、「咸鏡道方言」(旧永興郡以南を除く旧咸鏡南北道、旧平安北道厚昌郡を含む)、「京畿道方言」(旧黄海道京畿道当時蔚珍郡を除く旧江原道忠清南北道、旧永興郡以南の旧咸鏡南道全羅北道茂朱郡)、「全羅道方言」(茂朱郡を除く全羅南北道)、「慶尚道方言」(慶尚南北道当時江原道蔚珍郡を含む)、「済州島方言」の6つ区分した(【図1】参照)。また河野六郎小倉進平区分法基本的に踏襲して「西鮮方言」(『河野六郎著作集1』所収版では「西北方言」)、「北鮮方言」(同「東北方言」)、「中鮮方言」(同「中部方言」)、「南鮮方言」(同「南部方言」、Ogura (1940) の全羅道方言慶尚道方言統合した区域)、「済州島方言」の5つ区分している(河野 1945)。 大韓民国における区分法を見る。李崇寧は「平安道方言」、「咸鏡道方言」、「全羅道方言」、「慶尚道方言」、「済州島方言」、「中部方言」の6つ区分する李崇1967)。区画小倉進平区分法と同様であるが、それぞれの区画範囲小倉のものと必ずしも一致しない(【図2】参照)。 『方言學 事典』の区分小倉進平李崇寧の区分踏襲している。西北方言については旧厚昌郡含めつつも、旧厚昌郡と旧陽徳郡は「東北方言影響が強い」としている。中部方言については、黄海道載寧郡以南とし、黄海(北)道北部を含めていない。同時に忠清北道丹陽郡永同郡東南方言の強い影響下にあるとしている(方言研究会 (방언연구회)(2001375)。小倉進平異な体系区分したものに、崔根の区分法がある。崔根は忠清道北部江原道江陵以南嶺東地域江原道日本海沿岸部)を結ぶ線を境界として朝鮮語の方言北部方言群と南部方言群に大きく二分し前者には平安道咸鏡道黄海道京畿道忠清道北部江陵以南嶺東地域を除く江原道諸方言を属させ、後者には忠清道南部江原道江陵以南嶺東地域全羅道慶尚道済州島諸方言を属させた。 朝鮮民主主義人民共和国における区分法を見る。金炳濟(김병제) の区分法朝鮮語の方言東部方言西部方言二分した上で、さらに東部方言東北方言東南方言2つ下位区分し、西部方言西北方言中部方言西南方言済州島方言4つ下位区分している。6つ区分する方法小倉進平区分法と同じであるが、黄海道方言平安道方言併せて西北方言」としている。キムソングン (김성근) の区分法では西北東北中部西南東南済州六鎮7区画を認めている(キムソングン(김성근) 2005)。六鎮方言東北方言から積極的に区分しているのが特徴である。また、黄海道地域方言全体中部方言とすることに異議唱えており、黄海北道地域西北方言と見ることに妥当性を見いだしている。 このように現在の南北朝鮮における方言学はいくつかの方言区画提唱されているが、それらは小倉進平提示した6区画の区分法から大きく離れるものでなく、大筋において小倉進平区分法が基になっている見ていだろう

※この「方言区画に関する諸見解」の解説は、「朝鮮語の方言」の解説の一部です。
「方言区画に関する諸見解」を含む「朝鮮語の方言」の記事については、「朝鮮語の方言」の概要を参照ください。

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