方言学とは? わかりやすく解説

方言学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/28 16:23 UTC 版)

方言学(ほうげんがく、英語:dialectology)とは、方言についての言語学[1][2][3]

概要

研究対象とするのは方言であるが、方言と言語との区別は必ずしも明確でない。例えば、上海語中国語の一方言であるが[4][5][6]北京語を母体とする普通話との差は、別々の言語とされるスペイン語ポルトガル語以上に大きい。

つまり、純粋に言語構造としての見方と、社会国家の下での言語の見方が必ずしも一致していないわけである。

一般に方言学が関心を寄せるのは、言語の地域変種または社会変種としての特性、その成因、分布、通時的変化などであり、一般言語学とはある程度違う視点をもつ[7]

言語地理学では、方言の地理的分布を元に言語・方言の歴史を追究する[8][9]。また、比較言語学を方言に応用して、方言間の比較により祖語を再構しようとする学問を比較方言学とも言う[10]

隣接した分野

方言学は民族学歴史学社会学民俗学地理学など周辺分野との学際的な研究が多い。その一つには柳田國男が提唱した「方言周圏論」等がある。

関連項目

脚注

  1. ^ Chambers, J. K., & Trudgill, P. (1998). Dialectology. Cambridge University Press.
  2. ^ 金田一, 春彦 『日本語方言の研究』東京堂出版、1977年8月。ASIN 4490202458ISBN 978-4490202458NCID BN00486327OCLC 34896884全国書誌番号:77028565 
  3. ^ 小林英夫「方言学、その理論と実際」『民族』第3巻第3号、1928年。
  4. ^ Lance Eccles, Shanghai dialect: an introduction to speaking the contemporary language. Dunwoody Press, 1993. ISBN 1-881265-11-0.
  5. ^ Chen, Yiya; Gussenhoven, Carlos (2015), "Shanghai Chinese", Journal of the International Phonetic Association, 45 (3): 321–327, doi:10.1017/S0025100315000043
  6. ^ 小田格. (2018). 中華人民共和国上海市における上海語テレビ放送と言語政策―ポスト標準中国語普及時代の方言放送の行方―. 人文研紀要, 89, 223-254.
  7. ^ 窪薗晴夫. (2015). 日本語の方言研究と一般言語学. 言語研究, 148(0), 1-31.
  8. ^ 柴田武『言語地理学の方法』筑摩書房、1969年。
  9. ^ 徳川宗賢『方言地理学の展開』ひつじ書房、1993年。
  10. ^ 方言地理学と比較方言学 (1974), 徳川宗賢, 学習院大学国語国文学会誌 17, 1-18.

方言学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/12/16 14:14 UTC 版)

ブルトン語レオン方言」の記事における「方言学」の解説

レオン大雑把に言えばバス=ブルターニュ北東を走るポントリユー・シャトーラン線の北西広がる方言圏の中心に位置しており、15世紀定着した nal < lan音位転換経験していない(例:レオン方言・トレゴール方言 balan, コルヌアイユ方言 banalエニシダ」、ウェールズ語 banadl, コーンウォール語 banathel)。 レオン方言保守的な方言ということができる。 方言等語線は、レオンに対して南東から多かれ少なかれ深く広がったフランス語影響示している。こうしてバス=ブルターニュ全体方言連続体形成されており、ブルトン語諸方言のあいだには空間的に時間的に決まった境界線存在しない類似性はつねに地理学条件にのみ従うわけではないが、レオン方言は東ではモルレーのあたりでときおりトレゴール方言と、南ではエロルンに近づくほどコルヌアイユ方言との類似見せている。しかしながら、たとえばレオンとトレゴールを分かつドッセン川(モルレー川)のような川の上では、話し手たちはそれぞれ属す小郡用い方言結ぶ会話のなかで完全に相互理解ができている。 レオン内部2つ小郡、たとえばトーレ (Taulé) とプルエナン (Plouénan) の下位方言のあいだでも、同じことが成立する。西の果て、下レオンの(下位諸方言は原則としてレオン東部、上レオンのそれらとは狭母音の前の喉音硬口蓋化によって区別されるそれゆえ」は下レオンではgeot、上レオンではyeotと言われるレオン方言とはこれら2つ領域諸方言の共通の特徴からなる集合体である。これは比較大きな同質性を示している。

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「方言学」を含む「ブルトン語レオン方言」の記事については、「ブルトン語レオン方言」の概要を参照ください。

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方言学

出典:『Wiktionary』 (2021/09/25 03:03 UTC 版)

名詞

方言 (ほうげんがく)

  1. (言語学) 方言について学問



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