方位磁針が使えない、電子機器が狂う
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 04:43 UTC 版)
「青木ヶ原」の記事における「方位磁針が使えない、電子機器が狂う」の解説
方位磁針が使えないというのは俗説である。溶岩の上にできたので地中に磁鉄鉱を多く含み、方位磁針に1・2度程度の若干の狂いは生じるが、俗に言われているように「方位が分からなくなる」ほど大きく狂うものではない(方位磁針は、人が立った状態で正しく胸の位置に持っていき使用すること)。実際に陸上自衛隊は、上記の経緯もあり、地図と方位磁針で樹海を踏破する訓練を行っている。 また、派生形として「樹海の中ではデジタル時計の表示が狂う」「車の計器や放送機器に異常が発生する」等とも言われているが、科学的根拠のないデマである。同様に「GPSも使えない」という俗説もあるが、これは比較的低性能の機器を使用した際に、密生した樹木にGPS衛星の電波が遮られるためであり、高性能のGPSやQZSSの機器は正しく機能するし、また磁鉄鉱とは無関係である。携帯電話がつながらないというのも、樹木で電波が遮られるためであり、近年は移動体通信事業者の基地局が設置されて、つながりやすくなっている。 「飛行機が上空を通過すると計器が乱れるため、飛行禁止とされている」という俗説もあるが、民間機の飛行が制限されるのは、自衛隊・在日米軍の基地が近く、横田ラプコンのエリアとして指定されているという軍事上の理由と、山岳波という特殊な乱気流からであり(1966年にはこれが原因で英国海外航空機空中分解事故が発生している)、樹海の存在とは関係がない。
※この「方位磁針が使えない、電子機器が狂う」の解説は、「青木ヶ原」の解説の一部です。
「方位磁針が使えない、電子機器が狂う」を含む「青木ヶ原」の記事については、「青木ヶ原」の概要を参照ください。
- 方位磁針が使えない、電子機器が狂うのページへのリンク