新大陸の独立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 07:17 UTC 版)
こうした新大陸中心の植民地の展開は、18世紀末以降大きく転換する。きっかけは1775年に始まったアメリカ独立戦争である。この戦争で1783年にアメリカは完全に独立を果たし、イギリスはアメリカ大陸東岸のよく開発された広大な植民地を失った。その後、フランス革命に影響を受けたフランス領サン=ドマングにおいても1791年にハイチ革命が勃発し、数十年間の紆余曲折ののちに最終的に独立を果たすこととなる。さらにナポレオン戦争後、スペイン植民地において相次いで独立戦争が勃発し、南米大陸北部のシモン・ボリバルやアルゼンチンのホセ・デ・サン=マルティンらに率いられた独立派は各地で勝利して、大コロンビアなどの新独立国が次々と誕生した。メキシコにおいては自由派と保守派が手を結び、アグスティン・デ・イトゥルビデによって1821年にメキシコ帝国が建国された。ポルトガル領のブラジルにおいては独立戦争こそ起きなかったものの、ナポレオン戦争のためブラジルに避難していたポルトガル王室が1821年に本国に帰還する際、ブラジルに残ったドン・ペドロが皇帝に推戴されて1822年にブラジル帝国が成立した。こうして1820年代前半までには南アメリカ大陸および中央アメリカのほとんどの植民地が独立を果たし、北アメリカ大陸北部のカナダとカリブ海にうかぶ島々を除き、新大陸からは植民地がほぼ失われた。
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