掲載と反響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 01:01 UTC 版)
作者である大今は2008年に当作品(オリジナル版)を『週刊少年マガジン』編集部に投稿し、第80回週刊少年マガジン新人漫画賞で入選を受賞する。当初は新人賞の副賞として『マガジンSPECIAL』2008年12月号にて掲載される予定であったが、聴覚障害者に対するいじめをテーマにしていることなど内容の際どさから掲載は見送られ、以降どこにも掲載されることなく一時「幻の作品」となった。 その後大今は2010年に創刊されたばかりの『別冊少年マガジン』にて『マルドゥック・スクランブル』(原作・冲方丁)の連載を開始。これがヒットすると、『別冊少年マガジン』の班長であった朴鐘顕は「どうしても(大今の)受賞作を読者に読んでほしい」との思いから、講談社の法務部および弁護士、さらに全日本ろうあ連盟とも協議を重ねた結果、オリジナル版が『別冊少年マガジン』2011年2月号に掲載された。このとき、ろうあ連盟からは「何も変えずそのまま載せてください」との評価を受けた。 このオリジナル版は該当号の読者アンケートで『進撃の巨人』『惡の華』『どうぶつの国』などの連載作を抑えて1位を獲得。これが後押しとなって『マルドゥック・スクランブル』の連載終了後の『週刊少年マガジン』への連載が内定するが、大今が連載版『聲の形』第1話の原稿をマガジン編集部の連載会議に提出した結果は「まずは読み切り掲載」。やむを得ず大今は第1話を読み切り用に作り直すことで対応し、リメイク版が『週刊少年マガジン』2013年12号に掲載された。リメイク版も発売翌日の18時までにTwitterで4000件を超え、掲載号のみ通常より売上が6万部伸びた。 リメイク版の評価は賛辞が多い一方で、作中の「あのときお互いの声が聞こえていたらどんなによかったか」という記述については批判もあり、Twitter上などで論議が交わされた。これに対して『別冊少年マガジン』の朴班長はTwitterで「『聲の形』へのご批判も出てきて少しほっとしました」とコメントしている。 反響の大きさから、発売翌週には正式に連載が決定。2013年8月7日発売の36・37合併号より連載開始した。 2013年11月15日に単行本の第1巻が発売され、数日後に重版決定。また、作品は予め全体の構成を細かく考えた上で連載されており、3巻発売直後の時点で担当編集者の鈴木一司がTwitterにて全7巻の予定である旨の発言を行っていた。『別冊少年マガジン』と『週刊少年マガジン』本誌に掲載された読み切りの2作品は単行本に収録されず、2016年に刊行された公式ファンブックに収録された。 2014年11月時点で累計発行部数200万部を、映画版が公開された2016年9月時点で累計発行部数300万部を記録している。 2015年6月には、全日本ろうあ連盟監修のもと道徳教材化され、30分の実写DVDが東映より発売された。また、神奈川県は2015年4月に施行した神奈川県手話言語条例に基づき、手話普及推進を図るため、本作とコラボレーションしたリーフレットを発行した。 岐阜県大垣市をモデルとしていることから、2015年7月12日のFC岐阜と横浜FCの試合(FC岐阜主催・長良川競技場)にて、コラボマッチを実施。競技場では『聲の形』の原画展やコラボグッズの販売・大今良時のサイン会・デフフットサル(聴覚障害者によるフットサル)関連イベントなどが行われた。 2017年2月12日より養老鉄道とのコラボ企画切符が発売されている。
※この「掲載と反響」の解説は、「聲の形」の解説の一部です。
「掲載と反響」を含む「聲の形」の記事については、「聲の形」の概要を参照ください。
- 掲載と反響のページへのリンク