後年の動向から退役まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/21 15:09 UTC 版)
「福武電気鉄道デハ20形電車」の記事における「後年の動向から退役まで」の解説
連接化改造の対象から除外されたモハ63・モハ64のうち、モハ63は1969年(昭和44年)に電装品および運転関連機器を撤去して付随車サハ60形63と形式・記号番号を改めた。付随車化に際しては台車がBW78-25-Aに交換されたほか、搭載する制動装置をSCE非常直通ブレーキと公称したが、実際は原形のSM-3直通ブレーキのままであり、また前後妻面へのブレーキ管の追設も行われなかったため、現車は純然たるトレーラーであった。 唯一原形のまま残存したモハ64は前述モハ63の電装解除に伴ってモハ63(2代)と改番され、鯖浦線にて運用されたのち、鯖浦線織田 - 西田中間の部分廃止に先立つ1969年(昭和44年)9月に余剰廃車となった。また、サハ63についても老朽化を理由に1971年(昭和46年)9月に廃車され、2軸ボギー構造で存置された2両は全廃となった。 一方、160形は主に鯖浦線から福武線福井方面への直通列車運用に充当され、1973年(昭和48年)9月の鯖浦線全線廃止に際しては特別装飾を施し記念列車として運行された。 鯖浦線廃止後は福武線に再転属し、1981年(昭和56年)には台車が日車ボールドウィン形と称する日本車輌製造製のボールドウィンA形タイプ台車に、主電動機が三菱電機MB-64C(定格出力48.5 kW)に、それぞれ換装された。その後は1985年(昭和60年)にワンマン運転対応改造が、1989年(平成元年)にモハ161-1への霜取り用パンタグラフの増設が、1992年(平成4年)12月には自動列車停止装置 (ATS) の車上装置取り付けが順次施工された。 後年の新型車両導入に伴って、小型車体ゆえ他形式と比較して収容力が劣る160形の運用機会は減少したものの、160形は福井鉄道にて平成年代以降に在籍した車両形式では唯一の間接非自動加速制御(HL制御)車であったことから、間接自動加速制御仕様の他形式と比較して運転操作が容易である点が買われ、新人乗務員の運転教習用車両としても用いられた。 その後、160形は600形の導入に伴って代替されることとなり、1997年(平成9年)9月14日と翌15日の2日間にわたって退役記念イベント(さよなら運転)が実施された。160形モハ161-1・モハ161-2は同年9月17日付で除籍され、これにより福武電気鉄道デハ20形として導入された車両群は全廃となった。
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