形態と適応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 01:01 UTC 版)
当初の指は足の先端のわずかな突起であったようであるが、動物の陸上進出、それにつれてのニッチの拡大にしたがって、その形態も多様化した。 細長い指は、関節で折り曲げることで物を掴む機能を持つ。樹上生活においては、細い枝を持つのに適した構造となる。樹上性のカエルや、サル類においてこれは著しく見られる。また、食物を掴むなど、さらに細かい動作もこのような指によって可能となる。なお、物を掴んで操作するという点ではヒトの親指のように掌側に曲げられる指は貴重である。しかしこれを持つものは少ない。パンダの6本目というのはこのような機能を持たせたものである。 地上を走るという機能から考えた場合、むしろ長い指は邪魔であり、短くしっかりしたものが望ましい。イヌやネコなどは指を短く折り畳むようにしてこれを実現する。しかし、よりしっかりと長距離を走るには、さらに固める方が望ましく、ほとんど区別できない指に固くて厚い爪を装備する。ダチョウや有蹄類のものが有名で、これらの動物ではさらに指の減少傾向がはっきりと見られる。 水中生活には、指の間に水かきを広げて、水を掻く能力をつける(カエル・カモノハシ・アヒルなど)。より遊泳力をつけるために、指全体を厚く肉が被ってオールのような形になる例もある(ウミガメ・クジラ)。空を飛ぶためにも、指の間に水かきを発達させる例がある(トビガエル・コウモリなど)。
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