当初の調査結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/10 05:43 UTC 版)
「さらば桑田真澄、さらばプロ野球」の記事における「当初の調査結果」の解説
3月11日、巨人は桑田と20分ぐらい話し合って事情を聞いたところ、桑田は登板日漏洩と金品の授受をいずれも否定した。そのため、巨人は、調査結果を30ページ以上の報告書でセントラル・リーグに提出し、さらに同15日に7ページの追加報告書を提出した。この追加報告を受けて、川島廣守会長は「私の疑問に思っていた点はすべて解消された。調査はこれで終わった」、と調査の終了を宣言した。 巨人は翌16日に記者会見を開き、A社長と十数回食事をしたことなどは認めたものの、「金品の授受、まして登板日を教えた事実は全くない」と主張して中牧を名誉毀損で提訴する姿勢を見せ、桑田も「疑いが晴れてほっとしています」「内容が真実との誤解を与えかねませんので、名誉回復のため訴訟を提起したいと考えています」との声明文を出した。 その結果、川島廣守セントラル・リーグ会長は、桑田には誓約書提出、巨人には厳重戒告にとどめ、訴訟の提起については「きわめて当然の措置であると評価する」と述べた。この措置について、吉國一郎コミッショナーも「巨人と川島会長が十分調査された。処分の差し戻しも考えていない」と述べ、下田武三元コミッショナーも、「川島セリーグ会長の人となりを知っており、その判断力に全幅の信頼を置いている」と述べていた。 しかし、朝日新聞はこの巨人側の対応に疑問を呈し、告発した中牧に球団がまったく接触していない点を「世間一般では通用しない論理だ」「調査結果を全面的に信じろといわれても無理がある。調査内容の概略さえ明らかにせずに疑惑がなかったというのも承服しがたい」と批判した。同様に、毎日新聞も、「調査が第三者機関の手で行われなかったという不自然さはぬぐえない」と批判した。 中牧とリム出版社の宮崎満教編集長も、3月17日に反論の記者会見を開いた。中牧は、桑田がA社長から札束の入った封筒を渡されたのを5度見たことや、A社長から土地購入の交渉に同伴したお礼にロレックスをもらったと桑田が話していたことなど、著書には盛り込まなかった例を挙げながら、球団の調査結果について事実関係の認定に誤りがあるとの反論を展開して、巨人側に公開質問状を送ったため、巨人側と中牧側で意見が対立する形となった。
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