強オピオイド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 16:04 UTC 版)
モルヒネ フェンタニル オキシコドン オピオイドは神経のμオピオイド受容体のアゴニストとして働くことにより鎮痛作用を発揮する。オピオイドに共通する副作用として便秘、嘔気、眠気がある。嘔気と眠気には慣れることが可能であるが、便秘は慣れて改善することはないので、必要に応じて排便を促進する酸化マグネシウムやセンノシド、ピコスルファートなどで対処する。オピオイドの作用が強すぎて呼吸抑制が出現する場合には、オピオイドの減量もしくは中止を行い、それでも改善しない場合にはナロキソンでオピオイドに拮抗する。 痛みのない通常の人がモルヒネなどのオピオイドを使用すると精神的依存(いわゆる麻薬中毒)に陥るが、持続して痛みがある人に対して用いる分には精神的依存を形成することはないことが科学的に証明されている。必要となるオピオイドの量は個人個人で変わってくるのでそれぞれに合わせて量を調節すること(タイトレーション)が必要である。モルヒネ、フェンタニル、オキシコドンの3者は互いに変更可能であり、副作用の改善や投与経路の変更をしたいときにはこれらの間で種類を変更することができる。これをオピオイドローテーションという。例えば、経口モルヒネ製剤による便秘や吐気を改善したい場合には、フェンタニルパッチによる経皮投与への変更が有効である。ただし、拮抗性麻薬であるブプレノルフィンやペンタゾシンなどに変更すると退薬症状や疼痛の増強などをきたすので、これらの薬剤への変更は許容されない。
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