工部省釜石鉄道
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1880年(明治13年)2月17日 工部省釜石鉄道として、釜石桟橋 - 大橋間18kmの本線と小佐野 - 小川山(わらびの)間4.9kmの支線、さらに工場への支線を含めた総延長26.3kmの鉱山専用鉄道試運転開始。ただし、この時点で本線はまだ終点の大橋には達しておらず、支線も全線竣工は1881年(明治14年)9月であった。 9月7日 製鉄所・鉄道仮開業式(主賓の皇族が来釜しなかったため。式典自体は予定通り実施された)。新橋駅 - 横浜駅(現、桜木町駅)間鉄道、京都駅 - 神戸駅間鉄道に続く、日本で3番目に開業した鉄道である。軌間は838mm(2フィート9インチ)の特殊なものであったが、レールは16kg平底と丈夫なものを使用した。機関車は、英国シャープ・スチュアート社から輸入したサドルタンク式の3両を使用した。 1882年(明治15年)3月1日 製鉄所燃料用の炭焼竃の大半が失火により焼失して製鉄所が休止。それに伴い、遊休施設となった釜石鉄道は一般開放され旅客運輸を開始。 12月13日 大橋からの列車が雪のため停止ができずに唄貝に留置していた車両に衝突。死傷者を出す事故となった 12月 官営製鉄所の操業停止と鉱山閉山により、鉄道全廃。燃料となる木炭が不足したことと、代替燃料となるコークス使用の目処が立たなかったことが原因という。機関車2両と軌条は、大阪の阪堺鉄道(現、南海電気鉄道)へ売却された。このため、同鉄道も当初は838mm軌間となった。残りの1両はブレーキ故障による衝突事故のため運転台が大破していたため阪堺鉄道では引き取らず、のちに九州の三池港務所にわたり応急修理して使用された。
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