外見と行動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 07:36 UTC 版)
異常な飲食物にもかかわらず、タッラールはスリムで身長は並であった。17歳で、彼は体重が100 pounds (45 kg; 7 st 2 lb)しかなかった。彼は、髪は細く柔らかく、口は異常に大きく、歯はひどく汚れ、そして両唇はほとんど見えないと言われた。彼は食べていなかったとき、皮膚はだらりと垂れ下がるので、彼は腹の皮膚のたるみを胴の回りに巻き付けることができた。いっぱいのときは、彼の腹部は「巨大な風船のように」("like a huge balloon")膨らんだ。両頬の皮膚はしわが寄り、だらりと垂れ下がり、そして伸ばしたとき、彼は口に卵やリンゴの実を12個、入れておくことができた。身体は触れると熱く、そして彼は大汗をかき、常に体臭は臭かった。 彼は、「20ペース(pace)の距離以内では耐えられないほどの」("to such a degree that he could not be endured within the distance of twenty paces")悪臭がすると評された。この臭いは、彼が食べた後はさらに気づくほどに臭くなった。両眼と両頬は、充血し、身体からは目に見える蒸気が立ちのぼり、そして彼は嗜眠状態になり、その間、うるさいおくびをし、両顎は呑み込む動作をした。彼は慢性の下痢で、これは「全く考えられないほどの悪臭を放つ」("fetid beyond all conception")と言われた。食物の大量摂取にもかかわらず、彼は過剰に嘔吐するようにも、体重が増えるようにも見えなかった。食習慣はさておき、彼の同時代人らは、彼に、「力と考えの完全な欠如」("a complete lack of force and ideas")以外の精神病あるいは異常行動の兆候を見なかった。 タッラールの行動の原因は知られていない。当時の同様な行動の他の文書化された症例はある一方で、タッラール以外の対象者はひとりも検死解剖されなかったし、タッラールに類似している近代の文書化された症例は無い。甲状腺機能亢進症は、極度の食欲、急速な体重の減少、多汗、熱不耐性そして細い毛髪を誘発することがある。ボンデソン(Bondeson)(2006年)は、タッラールは扁桃核を損傷していたと推理している。動物において扁桃核の損傷は多食症を誘発することは、知られている。
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