取り違え花嫁
『苔の衣』 大納言には東院の上・西院の上の2人の妻がいた。東院の上は子供にめぐまれず式部卿宮の姫君を養女とし、西院の上は若君2人・姫君1人をもうけて死去した。後、美貌の西院の姫君は関白家の中納言との結婚が決まり、これを不快に思う東院の上は、弟源中納言をそそのかして西院の姫君を盗ませようとする。しかし源中納言は誤って式部卿宮の姫君を連れ出す。
『十二人姫』(御伽草子) 関白が衛門督の11番姫を盗み出したつもりが、それは実は衛門督北の方の姪だった。
『堤中納言物語』「花桜折る少将」 桜咲く邸でかいま見た姫君を、ある夜中将が盗み出す。しかし、車に乗せて来た女性を見ると、それは姫君を守るため添い寝をしていた祖母の尼だった。
『夜の寝覚』(中間欠巻部分) 寝覚の上を思慕する宮の宰相中将は、ある夜故関白邸にしのび入り、寝覚の上と誤って故関白の中君を盗み出す。
*闇の中で間違えて、目指す女とは別の人と関係を持つ→〔身代わり〕5の『大経師昔暦』「大経師内」・〔闇〕3aの『東海道中膝栗毛』3編上「日坂(にっさか)」。
『夫婦喧嘩』(チェーホフ) 夫婦喧嘩の後、夫は書斎に引っ込んでソファに寝転がり、クッションに顔を埋めた。15分ほどして、誰かがおずおずと入って来て、ソファに近づく。夫は背中に暖かい体を感じ、「しょうがないやつだ。赦してやろう」と、後ろに手を伸ばして暖かな体を抱き寄せ、「ちぇっ!」と舌打ちする。隣りに寝ていたのは、大きな愛犬ジアンカだった。
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