取り違え夫婦
『堤中納言物語』「思はぬ方にとまりする少将」 故大納言に2人の娘があり、姉は右大将家の少将を恋人とし、妹は右大臣家の権少将を恋人としていた。権少将も「少将」と呼ばれることから間違いがおこり、ある夜、権少将からの迎えの車に姉君が乗り、少将からの迎えの車に妹君が乗ってしまった。姉妹は驚き、ひたすら嘆いたが、一方、少将と権少将には、思いがけぬ手違いを喜ぶ気持ちもあった。
*「思はぬ方にとまりする少将」の落語版ともいうべき物語→〔入れ替わり〕5の『嫁ちがい』(落語)。
『覆面の舞踏者』(江戸川乱歩) 秘密クラブの会長が17組の男女を仮面舞踏会に招き、番号札を割り当てて、それぞれ未知の相手と一夜を過ごす、という企画を立てる。実際は、各夫婦ごとがカップルになるように仕組んであり、仮面を取って、お互いが妻であり夫であることに驚く、という趣向だった。ところが、番号札の11番と17番の読み違いから、「私」は友人井上の妻春子と一夜を過ごし、「私」の妻は井上と関係を持ってしまった。
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