化学物質による食中毒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 07:23 UTC 版)
食中毒の中でも、何らかの原因によって鉛、ヒ素などの無機物質、PCB、メチルアルコールなどの有機化合物などの化学物質が食品中に混入し人を侵襲して起きる食中毒は「化学物質による食中毒」と定義されている。 日本で起きた「化学物質による食中毒」事件で特に知られた件に限っても、今までに以下のような事件が起きている。 富山県神通川の流域住民の方々にイタイイタイ病が起きたのは、金属鉱業所と関連施設から排出されたカドミウムが原因とされている(イタイイタイ病事件、1945年頃から)。 ヒ素によって粉ミルクが汚染された事件(1955年)(森永ヒ素ミルク事件)。 米ぬか油へのPCBが混入したとされた事件(1968年) (カネミ油症事件)。 工業用メチルアルコールによる中毒事件(1974年)。 化学物質が人の口を通して健康に被害をもたらす例として、ヒ素による中毒が挙げられる。日本では、茨城県で高濃度のヒ素が井戸水から検出され健康への影響が出ているとされており、他国ではバングラデシュ、中国、ネパール、ベトナム、カンボジアなどのアジア諸国においてヒ素による中毒が広がっているという。 食中毒には様々な原因のものがあるが、他の原因の食中毒であれば消費者の側で予防することができる場合があるのに対して、化学物質による食中毒というのは消費者の側で予防することは困難だということが言える。
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