助触媒
助触媒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/03 23:42 UTC 版)
添加剤も配座の優先傾向をひっくり返したり、反応濃度を上昇させたり、触媒に結合しうるエステルやアミドといった高度に極性な基をキレートしたりするために使われる。オルトチタン酸テトライソプロピル(Ti(Oi-Pr)4))は、触媒被毒(英語版)を防ぐために極性基をキレートするために一般的に用いられる。エステルの場合は、このチタン系ルイス酸はカルボニル酸素原子に結合する。この酸素原子がチタンによってキレートされると、もはや触媒のルテニウム金属に結合することはできない(金属への結合は触媒の不活性化をもたらす)。これによって、出発物質の二量化なしに高い有効濃度で反応を行うことも可能になる。 別の古典的例として、中員環の環化ラクトン化で、優先するZ型(syn型)配座のエステルよりもE型(anti型)配座を取らせるために嵩高いルイス酸を使用した研究がある。ある研究では、7員環ラクトンを形成するために、アルミニウム トリス(2,6-ジフェニルフェノキシド)(ATPH)が添加された。このアルミニウム金属は基質のカルボニル酸素と結合し、嵩高いジフェニルフェノキシド基をエステル化合物にごく接近させる。その結果、エステルは不利な立体的相互作用を最小化するためにE型(anti型)配座異性体をとる。このルイス酸なしでは、二量化した14員環のみが得られた。 2つの反応性アルケンをごく接近させるようなやり方で分子を配置することによって、分子間クロスメタセシスが起こる可能性が最小化される。
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