作曲家が完成を断念したもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/21 08:49 UTC 版)
「未完成の音楽作品」の記事における「作曲家が完成を断念したもの」の解説
上の分類法においてここに分類されると考えられる作品としては、以下のものが挙げられる。 シューベルト交響曲ニ長調(D 2B) 交響曲ニ長調(D 615) 交響曲ニ長調(D 708A) 交響曲(旧)第7番ホ長調(D 729) - ワインガルトナーなどがオーケストレーションを施したものがまれに演奏される。ウニヴェルザール出版社から出版されていたが、現在は絶版である。 交響曲第7番ロ短調(D 759) - 通常の演奏会では第2楽章までが演奏される。第3楽章の冒頭十数小節のみのオーケストレーションおよび途中までのピアノ草稿が残っている。 シューマン:ツヴィッカウ交響曲 - 作曲者の生前に第1楽章のみ初演された。3楽章形式での完成を意図して書かれているが、第2楽章までしか完成していない。ジョン・エリオット・ガーディナーをはじめ、数名の指揮者が録音している。第1楽章には序奏付きの版と序奏なしの版がある。 ワーグナー:交響曲(第2番)ホ長調 - スケッチをもとにアントン・ザイドルがオーケストレーションした第1楽章、および第2楽章の一部が現存する。 チャイコフスキー:交響曲変ホ長調 - 第5番の次の交響曲として作曲が開始されたが、途中で作曲者の気が変わり、ピアノ協奏曲第3番となった。これも未完成に終わったが、ピアノ協奏曲としては第1楽章のみの単一楽章作品として演奏される。交響曲としては後に何種類かの補筆完成版が作られて演奏されており、非公式の吹奏楽版まで存在する。 ドビュッシー - 完成させたオペラ『ペレアスとメリザンド』の他に、未完に終わった幾つかのオペラがある。これらは後世に補筆完成されている。オペラ『ロドリーグとシメーヌ』 オペラ『鐘楼の悪魔』 オペラ『アッシャー家の崩壊』 交響曲 - フォン・メック夫人のお抱えピアニストをしていた少年時代に第1楽章のピアノ連弾譜のみ作曲。ドビュッシーの四手連弾・2台ピアノの演奏会や録音で取り上げられている。 ラフマニノフ:交響曲ニ短調(「ユース・シンフォニー」と通称される) ソラブジ:交響曲第2番 - 大編成で演奏時間が長いため、ピアノ譜のみでオーケストレーションがされていない。 上記のうち、シューベルトの交響曲ロ短調は例外的に「音楽的に完成された作品」とみなされ、頻繁に演奏されている。それ以外はみな、たとえば習作的であったり、途中で作曲家が投げ出したものなどであり、「作品」として演奏されることは少ない。
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