人生はお祭りだ(失われたラストシーン)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 01:08 UTC 版)
「8 1/2」の記事における「人生はお祭りだ(失われたラストシーン)」の解説
それまでの登場人物たち(主人公が人生で出会った人々)全員が何の説明もなく現れ、輪になって踊る有名なラストシーンの直前に、グイドの独白として「人生はお祭りだ。一緒に過ごそう。」というセリフがある。このセリフがラストシーンを暗示する。 当初、幽霊のような白い服を着た登場人物たちが、列車に乗ってどこかへ向かうシーンがラストシーンとして撮影されていた。食堂車のセットに満員の乗客、乗客のアップ、セリフなし、という葬式のようなシーンである。グイドの「人生はお祭りだ。」という独白の前の数カットに白い服を着た複数の登場人物が映っており、この列車のシーンの登場人物を彷彿とさせる。だが、このラストシーンは破棄される。 フェリーニは作品の完成間近に制作会社から『予告編』の制作を依頼される。このとき撮影されたのが、オープンセットで登場人物たちが輪になって踊るというシーンである。フェリーニはこのシーンをラストシーンとすることに決め、再度登場人物たちを集めて撮影を行った。ラストシーンでは、踊る人々が手をつないでいたり、服装など、『予告編』との違いがいくつかある。 ラストシーンの前に、グイドが自殺したことを暗示するシーンがある。右のポケットに拳銃が入っていることを示唆するセリフ、銃声、グイドの頭が床に落ちる、というシーンである。そのあと、輪になって踊るラストシーンにつながるため不確かな印象を与えるが、当初予定されていた葬式のようなラストシーンにつながると、グイドの自殺が鮮明となる。
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