中東・南アジア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 08:05 UTC 版)
1980年代のアフガニスタンでは、モロッコトビバッタが猛威を揮っており、酷い所では16,000haが被害を受け、紛争と重なって深刻な飢餓を引き起こした。国際連合食糧農業機関(FAO)はカルザイ政権ができた2002年からバッタ対策を開始し、2005年5月ごろの一掃作戦ではバッタの発生時期に合わせた幼虫の駆除に成功している。 アラビア半島南部のイエメンでは2007年、サバクトビバッタの大発生の可能性が出てきた。ルブアルハリ砂漠で大発生したバッタが南下し、イエメン国境付近で産卵したため、この2世代目が大被害を与える可能性が高くなっている。そのため、国連中央緊急対応基金 (Central Emergency Response Fund) は240万ドル、日本政府は200万ドルをイエメン政府に援助し、重機材や農薬、専門家雇用のために使われている。 2018年、アラビア半島にサイクロンが2度上陸し、恵みの雨で植物が増えたことから、2019年にサバクトビバッタが大発生した。2015年から続くイエメン内戦で対策は後手に回り、サウジアラビア、オマーン、イラン、パキスタン、インドにまで被害は拡大。後述する、2020年の東アフリカでのサバクトビバッタ大発生にも影響を与えた。 2019年、インドのグジャラート州でバッタの大量発生が見られ、農作物に大きな被害が出た。殺虫剤による駆除が行われたが、地域には鍋などの金属を打ち鳴らしてバッタを追い払う風習が残されており、古くから大きな被害に悩まされてきたことが伺われる。
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