三題噺とは? わかりやすく解説

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さんだい‐ばなし【三題×噺/三題×咄】

読み方:さんだいばなし

客に三つの題を出させて、その場一席落語にするもの。文化元年(1804)に初世三笑亭可楽創始


三題噺

1.客から出され三つ題材組み合わせて落語家即興で噺を作る。「卵酒」「毒消し護符」「鉄砲」という三つの題から、三遊亭円朝は『鰍沢』の物語作った〔*「身延詣り」「遊女」「熊の膏薬」の三題が出された、などの異説もある〕。

鰍沢落語身延山参り旅人雪道迷い一軒家宿を借りる。その家の女房は、旅人財布狙ってしびれ薬入り卵酒飲ませる旅人毒消し護符呑み逃げ出して鰍沢急流落ちる。彼は材木つかまって、「南無妙法蓮華経」とお題目唱える女房鉄砲旅人ねらい撃ちするが、弾は外れる。旅人は「ああ、お材木(=お題目)のおかげで助かったと言う〔*落ちは→〔下宿〕2の『おせつ徳三郎』と同じ〕。

★2.「新米の盲乞食」「袴着祝い」「大仏餅」の題で、円朝作ったと言われる噺。

大仏餅落語新米の盲乞食幼児連れて、ある家を訪れる。その家では、子供袴着祝いをしていたので、料理残り物与える。家の主人は、乞食がもとは有名な茶人だったことを知って薄茶大仏餅をふるまう。乞食大仏餅を喉につまらせ、主人背中叩いてやる。その衝撃で盲乞食の目が開いたが、鼻の障子抜けて乞食フガフガ言う。主人は「大仏餅食ったから、目から鼻へ抜けたのだ(*→〔腹〕2b)」と言う

★3.「芝浜」「革財布」「酔っ払い」の題で、円朝作ったと言われる噺。

芝浜落語裏長屋に住む魚屋が、朝早く芝浜魚河岸へ出かけて、50入りの革財布を拾う。魚屋は「これで遊んで暮らせる」と、仲間呼んで酒盛りをして、ぐっすり寝こむ。目覚めると、女房が「財布など知らない。夢でも見たんだろう」と言う魚屋は、「あさましい夢を見たものだ」と心を入れ替え、酒を断(た)って働き者になる。やがて表通り店を出すまでになった3年目大晦日に、女房は「実はあれは夢ではなかった」と打ち明ける

★4.帰宅までに、三題話を作らねばならない

『サザエさん』長谷川町子朝日文庫版第13巻119ページ 麻雀中のノリスケに妻タイコから電話がかかり、仲間が「ノリスケは急病友人送って行った」と嘘をつく。しかしノリスケはタイコに「叔父貴食事に行く」と言って、出かけて来たのだった。さらにノリスケには、賞品のコーヒーセットが当ってしまう。ノリスケは「病人叔父貴・コーヒーセット、これを家に着くまでに三題話にまとめあげなきゃならんぞ」と考えつつ、夜道を歩く。

*「タイムマシン」「吸血鬼」「植物人間」の三題話→〔吸血鬼3dの『短篇をどう書くか』(星新一)。

*「時間旅行」「電気器具」「アトランティス」の三題話→〔時間旅行3dの『短篇をどう書くか』(星新一)。


三題噺

読み方:サンダイバナシ(sandaibanashi)

初演 明治28.11(東京・三崎座)


三題噺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/29 03:34 UTC 版)

三題噺(さんだいばなし)とは、落語の形態の一つで、寄席で演じる際に観客に適当な言葉・題目を出させ、そうして出された題目3つを折り込んで即興で演じる落語である。三題話、三題咄とも呼ぶ。




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