ヴントの学説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 16:12 UTC 版)
「ヴィルヘルム・ヴント」の記事における「ヴントの学説」の解説
ヴントは、心理学は経験科学であるとし、形而上学を攻撃した。心理学は直接経験の学であると論じている。心理学と物的科学の差別は経験を眺める見地にあるのであって、扱う「経験」の定義そのものが違うのではないとした。そこでヴントは、心理学の研究法は自己観察(内観)にあるとした。しかし、彼は二元論者であり、精神と肉体は別物、並行して存在する物とした(精神物理的並行)。また、心理学の目標は、心を簡単に分析して、それらの質から成り立っている各種の形式を決定することであると述べた。つまり、自分の精神の内面を観察する内観という方法を用いて意識を観察・分析し、意識の要素と構成法則を明らかにしようとしたのだ。ゆえに、ヴントの心理学は要素主義と呼ばれる。さまざまな感覚(心的要素の働き)が統覚によって統合されるとした。 ヴントの残した足跡からの実験的方法は今日まで発展を続けているが、後の学派、ゲシュタルト心理学や行動主義心理学から反発を受けることになる。 また、ヴントはハイマン・シュタインタールやモーリツ・ラーツァルスと共に「民族心理学 」を創始したとも評価されている。ヴントはメトロノームを使った実験をおこない、感情の三次元説を展開した。意識的感情は快と不快、弛緩と緊張、鎮静と興奮に沿って変化すると結論づけた。 反応の4類型
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