メディア産業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 13:53 UTC 版)
新聞業界は、一般紙においては戸別宅配制度や新聞販売店による営業によって新聞普及率・発行部数において世界3位と世界的にも高い新聞購読率を誇っている。また全国紙を発行する5社(読売新聞グループ本社・朝日新聞社・毎日新聞社・日本経済新聞・産業経済新聞社)が大手民間のキー局などと資本関係を持っておりテレビ業界へも強い影響を持っている。だが、近年はインターネットの普及や活字離れなどの影響で近年購読部数の減少が続いており、2020年には1世帯当たりの新聞購読部数が1部を割り込み0.61部数になっている。地方紙なども含め新聞業界では夕刊紙の廃止・人件費削減などのコスト削減やインターネットでの記事ネット配信などを進めている。 テレビ業界では近年、これまでの地上波放送だけでなくBS放送・CS放送などの衛星放送・ケーブルテレビの普及によってテレビの多チャンネル化が進んでいる。地上波ではNHKと民放のキー局5社(フジテレビジョン・日本テレビ放送網・TBSテレビ・テレビ朝日・テレビ東京)が大きな力を持っており、地方の系列局を通して全国にテレビ放送を行っている。1980年代後半以降、テレビの視聴時間は増加に転じており長時間テレビが見られる傾向が続いている。しかし、インターネットの普及などによって若年層を中心にテレビ離れが加速しており、テレビの視聴率低迷や景気低迷でテレビ局の経営環境は厳しくテレビ局の主要な収入であるテレビ広告費は年々減少傾向にある。近年は、キー局を中心にネットとの融合を進めており、番組のネットの配信やネットを活用した番組作りなどが進められている。 ラジオ業界は1960年代のテレビの普及に伴いラジオ離れが加速したが深夜放送など番組改編によって持ち直し現在もメディアとして一定の存在感を持っている。1960年代以後もFM放送局を中心にラジオ局の開局が行われた。1980年代になると規制緩和の影響を受けて放送範囲を市区町村など狭い範囲での放送を行うコミュニティ放送局の開局が増加した。テレビなど他の既存メディアと同様にネットの普及などで再びラジオ離れがささやかれている。テレビ業界と同様にネットとの融合が進められている。 出版業界は1996年まで出版物の販売が増加し1989年には2兆円を突破するなど成長が続いてきた。しかし、近年は活字離れやメディアの多様化の影響などで出版不況が続いており、2017年の出版物販売額は1兆3,701億円と13年連続低下しピークの1996年から1兆円減少している。特に雑誌は購読部数の減少で広告収入の減少にも繋がっており、近年雑誌の休刊・廃刊が進んでいる。ネットを活用したデジタル雑誌の発行や付録など工夫を凝らした雑誌の発行などの取り組みが行われている。
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