ポリ(ジヨードジアセチレン) (PIDA) の調製
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 16:53 UTC 版)
「ハロゲン結合」の記事における「ポリ(ジヨードジアセチレン) (PIDA) の調製」の解説
共役ポリマー(重合体)の特性を利用した応用は、Heeger、McDiaramid、白川英樹らの(材料の製造は困難であるが)ポリアセチレンが導電性を示すという発見から生まれた。それ以後、この共役ポリマーの主骨格(例: ポリ(p-フェニレンビニレン))を模倣する研究が行われた。共役ポリマーは、多くの実用的応用があり、光電池、有機エレクトロルミネッセンス、電界効果トランジスタ、化学センサなどに用いられている。Goroffらは、ハロゲン結合骨格によってモノマー(単量体、2)を事前に整列させ、秩序だったポリ(ジヨードジアセチレン) (PIDA, 1) を調製した。PIDAは、ヨウ素は容易に変換できるため、他の共役ポリマーの極めて優れた前駆体である。例えば、C-I結合の切断は電気化学的還元となりうる。 モノマー (2) の結晶構造は、様々な組成や接続性を有し無秩序である。ホスト (3-7) の分子パッキングが、主にモノマー (2) とそれぞれのホスト分子との共結晶実験により調べられた。ホスト 3 と 4 がモノマー (2) と事前に調製されたが、ヨウ素周辺の立体的嵩高さにより、モノマーの位相的重合が得られなかった。ホスト 5-7 は水素結合とハロゲン結合を利用することで、モノマー (2) を重合しやすい適切な距離に固定した。 実際に、ホスト 7 を用いた場合、共結晶を単離するさいに自発的に重合が起こった。結晶構造では、ポリマー鎖が水素結合ネットワークに全て平行で、ホストのニトリルがそれぞれのヨウ素原子とハロゲン結合していることが示された。興味深いことに、ポリマー 1 の結晶中のヨウ素原子の半分はオキサルアミドの酸素原子と近接した位置に存在する。ホスト 7 の酸素原子は、水素結合とハロゲン結合の両方でアクセプターとして作用している。
※この「ポリ(ジヨードジアセチレン) (PIDA) の調製」の解説は、「ハロゲン結合」の解説の一部です。
「ポリ(ジヨードジアセチレン) (PIDA) の調製」を含む「ハロゲン結合」の記事については、「ハロゲン結合」の概要を参照ください。
- ポリ の調製のページへのリンク