ボーフォール
「チーズ通が最後にたどり着く」といわれるのがハードチーズ。飾り気もなく、いかにも素朴な外観ですが、じんわりと広がる旨みや奥行きのある味わいは、あらゆるチーズを食べつくした人をも魅了する力強さがあります。特に冬は、ハードチーズの滋味ある味わいがなんともおいしく感じられます。
ボーフォールも、そんな山のハードチーズ。故郷はフランス、サヴォワ地方。アルプスを間近に望み、その向こうはイタリア、という国境近くの山岳地域です。見た目はコンテに似ていますが、側面がへこんでいるのがボーフォールの特徴。1個で約40kgもあり、一人では抱えきれないほどの大きさです。
私たちのボーフォールは、タランテ-ズという谷で作られたもの。この谷の牛からしぼったミルクは、タランテーズのボーフォール協同組合に持ち寄られ、古くからの伝統製法でこの大きなチーズが作られています。
まずは昔ながらの大きな銅鍋でミルクを温めます。凝乳酵素を入れて固まってきたチーズのもと(カード)を、風呂敷のような大きな布で集め、引き上げて伝統的な木枠の型に入れて圧搾…なにしろ1個作るのに400kgものミルクが必要なのですから、どの過程も大変な力仕事です。だから山のチーズ作りはもっぱら男性の仕事。
じっくり5ヶ月以上かけて熟成させたチーズは、ほっくりと栗のようなコクがあり、しみじみとしみわたる旨みと蜜のような甘みがあります。雑味がなく、風格さえ感じさせる味わいには、ボーフォールが「チーズのプリンス」と称えられるのもうなずけます。
ボーフォール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/01 17:57 UTC 版)
ボーフォール(fr:Beaufort)は、フランス語の地名、姓。英語圏では同じつづりで『ボーフォート』となる。
- 1 ボーフォールとは
- 2 ボーフォールの概要
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