ホールダウン金物の欠落と欠陥住宅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 22:28 UTC 版)
「ホールダウン金物」の記事における「ホールダウン金物の欠落と欠陥住宅」の解説
上記のような法令や告示があるにも関わらず、ホールダウン金物が省略されている住宅はかなり多い。典型的な例は、ホールダウン金物が全くないもの、建物の四隅にしかないもの、通し柱にしかないもの、1階の柱脚(下部)にしかないもの、2階部分や3階部分ですべて省略されているものなどが挙げられる。これにはいくつかの理由がある。まず、コストの削減と工期の短縮のためである。また、ホールダウン金物を示した図面が無かったり、その図面にホールダウン金物を書き忘れている場合もある。さらに、上記の法令や告示があることを知らない人もいる。悪質な場合は、筋交いが多いから必要ない、又は、構造用合板で連結されているから必要ないという虚偽の説明をする人もいる。このような木造軸組工法の建築物は、地震時などに柱が抜けて倒壊する危険性が高いので、建築主・建築士・監理者・施工者ともよくチェックする必要がある。 ホールダウン金物の不足が疑われる場合には、告示の表、N値計算、構造計算のどれに従って取り付けているかを確認し、告示の表又はN値計算書又は構造計算書の指定した通りに取り付けられているか、すべての柱について検査する必要がある。もし不足していた場合は、ホールダウン金物を正しく付け直すことになるが、特に1階の柱脚でホールダウン金物用のアンカーボルトが入っていない場合は、基礎から壊してやり直しということになる。このような事態を防ぐためにも、基礎工事の段階で、ホールダウン金物の位置をすべて確認しておくことが望ましい。なお、接着系アンカーによる補修は、住宅の基礎では基礎幅が狭く十分な引き抜き耐力が出ないことや、埋め込み長さが不足することなどから、新築においては基本的には認められない。
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