ヘルコリア
ヘル朝鮮
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ヘル朝鮮(ヘルちょうせん / ヘルチョソン、朝: 헬조선)とは、英語で地獄を意味する「ヘル(Hell)」と朝鮮を組み合わせた造語で[1]、韓国の主に1970年代後半から1990年代前半の間に生まれた世代の韓国国民が[2]、受験戦争と学歴差別の激化や若者失業率の増加、貧富の格差(経済的不平等)拡大、自殺率の高さなど、韓国社会の生きづらさを「地獄のような朝鮮[3]」と自嘲して表現したスラングである。韓国ではなく「朝鮮」という言葉を使用することにより、李氏朝鮮のような前近代的で非合理な国という意味も含んでいる[4]。2015年にSNSから広がり[5][6]、その後メディアや文化人も頻繁に言及して、流行語となった[7]。
- ^ “朴槿恵氏への支持率0%の若者世代 鬱積の合い言葉「ヘル朝鮮」 なぜか「日帝」にちなんだ造語まで”. 産経ニュース. (2016年11月13日) 2016年11月18日閲覧。
- ^ 三田 (2015年9月23日). “韓国の若年層にまん延する「ヘル朝鮮症候群」、根底に政府へ...”. レコードチャイナ. 2016年2月3日閲覧。
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- ^ 本来第三身分は封建社会のヨーロッパにおいて平民を意味する。
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- ^ 『韓国の「ヘル朝鮮」現象にアメリカ紙が注目 ネットでも話題に』(ライブドアニュース 2016年2月3日)
- ^ 『就職失敗、6カ月後に自殺…韓国の「絶望ラジオ」が伝える壮絶な現実〈AERA〉』(dot. 2016年3月8日)
- ^ "『支持率1%…「ヘル朝鮮」若者たちはなぜ朴大統領に背を向けたのか』"(ハンギョレ新聞 2016年7月7日)
- ^ “「ヘル朝鮮」生きづらい?池上彰さん、韓国の若者に聞く:朝日新聞デジタル” (日本語). 朝日新聞デジタル 2018年7月28日閲覧。
- ^ “韓国の若者が「ヘル朝鮮」と自国を揶揄する理由とは? 世代間の断絶が深刻に【韓国大統領選】” (日本語). HuffPost Japan. (2017年5月5日) 2018年7月28日閲覧。
- ^ a b “日本で働く韓国の若者たち 明るい未来がなく「ヘル朝鮮」と自嘲 -韓国の若者たちはなぜ国を出て働こうとするのか ライブドアニュース” (日本語). ライブドアニュース 2018年7月28日閲覧。
- ^ 「「ヘル朝鮮」「金のさじ、土のさじ」……流行語から見えてくる韓国の超格差社会」『YOMIURI ONLINE(読売新聞)』、2016年6月27日。2018年7月28日閲覧。
- ^ 한겨레. “競争社会韓国にうんざり... 大学生の“移民プロジェクト”” 2018年7月28日閲覧。
- ^ “韓国の若者がこぞって「公務員」を目指す事情 | 韓国・北朝鮮” (日本語). 東洋経済オンライン. (2017年6月29日) 2018年7月28日閲覧。
- ^ china, Record. “自殺率が下落傾向の韓国で、10代の自殺率が上昇=「これがヘル朝鮮の現実」「未来が見えない」などネットにも悲痛な声” (日本語). Record China 2018年7月28日閲覧。
- ^ “「韓国の子供は不幸だ」と答えた人が過半数…日本以上に深刻な韓国の少子化問題(慎武宏) - Yahoo!ニュース” (日本語). Yahoo!ニュース 個人 2018年7月28日閲覧。
- ^ “ここ5年で2ケタの暴落…国連の「幸福度ランキング」で浮き彫りになってしまった韓国の深刻さ(慎武宏) - Yahoo!ニュース” (日本語). Yahoo!ニュース 個人 2018年7月28日閲覧。
- ^ “韓国人の62%が「ヘル朝鮮」に共感…54%は「移民を考えたことがある」 | Joongang Ilbo | 中央日報” (日本語). japanese.joins.com. 2018年7月28日閲覧。
- ^ INC., SANKEI DIGITAL (2018年2月5日). “【ビジネス解読】韓国はいま「大学は出たけれど」状態 「ヘル朝鮮」脱出へ若者は日本を目指す!?” (日本語). 産経ニュース 2018年7月28日閲覧。
- ^ “【コラム】平壌共和国と「ヘル朝鮮」(2) | Joongang Ilbo | 中央日報” (日本語). japanese.joins.com. 2018年7月28日閲覧。
- ^ 『ヘル朝鮮なら「ASEANで働けば」暴言の韓国高官辞職』(2019年1月29日 朝日新聞)
ヘル朝鮮
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詳細は「ヘル朝鮮」を参照 京郷新聞によると、韓国は夫と妻、親世代と子世代など他者との無限競争が日常化された能力主義社会であり、「世代葛藤」が「世代戦争」と呼ばれるまでになっている。OECDが2018年1月に発表した「2017生活の質(How's life)」レポートにて、韓国では社会生活の中でさまざまな紛争を経験したことがあると回答した割合が34%で、調査対象国のうち1位であった。特に韓国で「事業と雇用」の問題と「隣人と住居環境」問題に紛争を経験した割合はそれぞれ他国よりも高く、もっとも主要な韓国の日常葛藤要因となっている。さらに困難時に頼れる家族や親戚、友人などの人間関係があると答えた割合が全OECD加盟国の最下位だった。生活の満足度も10点満点中5.9点で、OECD最下位だった。京郷新聞は職場でも帰宅後の家庭でも、大小の葛藤と争いにストレスを受けることは多いにもかかわらず、他者からの支援は受けにくい社会だというのが調査結果でも表れたと報道している。加えて、一向に解消されない財閥企業への経済力・影響力の一極集中により、就職難や格差問題が続いており、2015年ごろから韓国のSNSでは若者を中心に「ヘル朝鮮(地獄のような朝鮮)」という言葉が流行語になっている。「韓国は生きづらい」「自分が生き抜くだけで精一杯で家庭などもてない」といった若者の自嘲的な評価とともに、韓国内外の複数のマスコミにも「ヘル朝鮮」は報道される事態となっている。
※この「ヘル朝鮮」の解説は、「大韓民国の少子化」の解説の一部です。
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