ブームの終息と以後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 15:37 UTC 版)
「第二次怪獣ブーム」の記事における「ブームの終息と以後」の解説
1973年(昭和48年)には、過去作品の再放送も含めて「ゴールデンタイムのテレビにヒーローものが放映されない日はない」という加熱ブームとなった。しかし、同年末の第一次石油ショックによる制作費の高騰、特撮資材の不足、さらにこのブームを支えた大手スポンサー「万創」の倒産が決定打となり、番組制作の撤退が相次ぐこととなった。1974年(昭和49年)以降は製作費のかさむ巨大ヒーローはなりを潜めていく。 オイルショックは、着ぐるみの材料費に影響を与えた。それまでは1体につき20-30万円の材料費が、オイルショックによって50万円に倍増。それによって現場では、着ぐるみを何度も流用するなどの苦境に立たされることとなる。そこで登場する怪獣の人形などの関連商品で採算を合わせようとするも、この時期はヒーローの人形の方に人気が集まり、怪獣人形は不人気であった。そのためにマスコミからは、「(1974年初頭の時点で)7本放送されている特撮作品が4月の改編期で半数が消滅し、75年には2本程度に減少するのではないか」と囁かれるようになる。 1975年(昭和50年)には、円谷プロが『ウルトラマンレオ』(TBS)でシリーズをいったん終了。マスコミはこの事象を「怪獣ブームの終焉」と位置づけた。同年、東宝も『メカゴジラの逆襲』を以て、ゴジラシリーズの新作の製作を終了、また変身ヒーローの元祖「仮面ライダーシリーズ」も『仮面ライダーストロンガー』(毎日放送)を以て終了した。 その後、『がんばれ!!ロボコン』(東映、NET)や『恐竜探険隊ボーンフリー』(円谷プロ、NET)といった、本流とは言いがたい作品群がしばらく台頭してくるが、その後ゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダーの三大タイトルが休止している間も東映によって『秘密戦隊ゴレンジャー』『アクマイザー3』『超神ビビューン』などさまざまな作品の制作が続けられ、巨大ヒーロー番組の制作がほぼ途絶えた。以後、「等身大変身ヒーロー」に特化してのこのジャンルは、東映の独擅場ともいえる状況となっていった。 書籍『大ゴジラ図鑑』では、1970年代後半からのリバイバルブームを第3次怪獣ブームと位置づけている。このブームは、『スター・ウォーズ』の日本公開に端を発するSFブームの中で、長く途絶えていた新作怪獣映画を求めるものであったが、実際に公開された『ゴジラ』(1984年版)はファンの期待を満たすものではなかったため、ブームも終息していったとされる。
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