ネットワーク中心の戦い
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ネットワーク中心の戦い(ネットワークちゅうしんのたたかい 英語:Network-Centric Warfare, NCW)は、アーサー・セブロウスキーおよびジョン・ガルストカによって創案された革新的軍事コンセプト[1]。高次の情報ネットワークによって情報を伝達・共有することで、意思決定を迅速化するとともに戦力運用を効率的に行うことを目的としており、ネットワーク中心コンピューティング(NCC)のコンセプトを軍事用C4Iシステムに応用したものである。イギリス軍においてもネットワークを駆使できる能力(NEC)の名称で同等のものが検討されている。
- ^ a b c d e 大熊康之『軍事システム エンジニアリング』かや書房、2006年。ISBN 4-906124-63-1。
- ^ David S. Alberts, John J. Garstka, Frederic P. Stein (August 1999). Network Centric Warfare 2nd Edition (Revised). CCRP
- ^ 伊藤和雄「まさにNCW であった日本海海戦」『日米ネービー友好協会会報35』、日米ネービー友好協会、2009年1月。
- 1 ネットワーク中心の戦いとは
- 2 ネットワーク中心の戦いの概要
- 3 参考文献
ネットワーク中心の戦い
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「アーサー・セブロウスキー」の記事における「ネットワーク中心の戦い」の解説
セブロウスキーのもっとも著名な業績は、海軍省N-6部部長時代に行なわれた、ネットワーク中心の戦い(NCW)コンセプトの創案である。これは、元空軍士官(現在は予備士官)のシステムエンジニアであり著名な軍事アナリストでもあるジョン・ガルストカ(John J. Garstka)と共同で、1998年に発表されたものであった。 詳細は「ネットワーク中心の戦い」を参照 NCWコンセプトは、高次のC4Iシステムによって情報を伝達・共有することで、意思決定を迅速化するとともに戦力運用を効率的に行うことを目的とするもので、第一に戦闘力の枠組みの転換、第二にボトムアップ / 自己同期という革新性を具備しており、旧来の軍事コンセプトを根本から揺るがす画期的な軍事コンセプトである。1998年、アメリカ海軍は艦隊戦闘実験において、NCWコンセプト採用時とPCWコンセプト(在来型)採用時の相対比較を行うことにより、NCWの有用性を検討した。この結果、平均的な意思決定サイクルは43分から23分に短縮され、任務遂行に要する時間は50%減少、射撃の有用性は逆に50%増大し、艦隊の防御網を突破した敵舟艇数は1/10に減少したのである。これによってNCWコンセプトの有用性は立証され、2003年11月、ドナルド・ラムズフェルド 国防長官は統合作戦コンセプト(CCJO)を認可し、これによってNCWコンセプトのアメリカ全軍への導入が決定された。 しかし、NCWコンセプトの導入には、各級指揮官への教育、交戦規定の策定、C4Iシステムの整備など、多大な労力が必要となる。このことから、NCWコンセプトの導入は段階的に進められており、2010年までにNCWコンセプトに則った作戦を実行可能とし、全面実用化は2030年を目標としている。
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