ナンダ・デヴィ国立公園
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ナンダ・デヴィ国立公園は、インド第2の高峰ナンダ・デヴィ(標高 7,817 m)を擁する国立公園である。その前身はナンダ・デヴィ猟鳥獣保護地域 (Nanda Devi Game Sanctuary) で、1939年1月7日に設定されたこの自然保護区はヒマラヤ山脈の保護区の中では最古とされる。1980年に国立公園となることが決まり、当初は「サンジャイ・ガーンディー国立公園」となる予定だったが、1982年11月6日に現在の名称で正式に発足した。 ナンダ・デヴィはサンスクリット語で「祝福された女神」の意味で、ヒンドゥー教の聖なる山として崇拝の対象ともなってきた。21世紀現在でもガルワールとクマーウーンを含むウッタラーカンド州全域の寺院では、毎年儀式にのっとって定められた日付にナンダ・デヴィ祭(ナンダー・デーヴィー・ジャート)が行われる。祭りは女神ナンダーの里帰りを表現する儀式に始まり、夫(シヴァ)の待つ家に戻る儀式で最高潮に達する。また、ウッタラーカンド州に伝わる伝説によれば、ガルワール王の領地で12年に一度、4本角の雄羊が誕生し、ガルワールからトリシュル峰(英語版)まで行く巡礼を先導するとされている 。この巡礼の祭り、ナンダー・デーヴィー・ラージ・ジャート(英語版)は、12年に一度、8月から9月初旬にかけて、21日間にわたって行われ、何千人もの参加者は、女神が夫の住むところまで行く道のりを、巡礼により追体験する。標高 5,000 m を超える雪原の巡礼路の途中には「死の小径(Jyumra Gali)」という別名のある垂直に切り立った崖に作られた道や、湖水から何百体分もの人骨が発見されたループクンド湖があり、これらすべてがナンダ・デヴィ国立公園の園内に位置する。 ナンダ・デヴィ国立公園の標高は2,000 m 前後から 7,817 m に至る。針葉樹林帯などのほか、氷河や雪原の見られるその地形には、ジャコウジカ、ヒマラヤタール、ハヌマンラングールなどが棲息し、少なくとも14種の哺乳類、578種の鳥類が確認されている。棲息する哺乳類のうち、ユキヒョウは絶滅危惧種、ツキノワグマは危急種である。 標高の高い地域から順に段階的に入山が制限されてきたが、1983年以降は、学術研究以外での国立公園内への立ち入りは出来なくなっている。
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