コンソとは? わかりやすく解説

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コンソ【Konso】

読み方:こんそ

エチオピア南部の町。アルバミンチ南方90キロメートル位置する少数民族のコンソ族による石壁造り段々畑要塞化された集落があり、2011年、「コンソの文化的景観」の名称で世界遺産文化遺産)に登録された。また、初期人類化石出土したことでも知られる


コンソ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/28 08:54 UTC 版)

コンソ (Konso) は、エチオピア南エチオピア州(旧南部諸民族州)内の地域名であると同時に[1]、そこで暮らすエスニック・グループの名称でもある[2]。コンソ地域は標高800 mから1800 mほどの山岳地帯にあり、そこで暮らす人々は資源の限られた自然環境の中で外敵の脅威などに備えつつ、最大限の農業生産性を上げようとして、さまざまな工夫を凝らして独特の文化様式を育んできた。その結果生まれた文化的景観は、2011年UNESCO世界遺産リストに登録された。なお、世界遺産登録時の評価対象には含まれなかったが、この地域のコンソ遺跡群からは175万年前の世界最古級の握斧などが出土しており、古人類学への貢献という面でも重要な地域である。


注釈

  1. ^ この面積はユネスコ世界遺産センターの概要ページによるが、ユネスコ世界遺産センターの構成資産ページでは面積14,000 ha とされている(アクセス日時はともに2013年6月27日)。
  2. ^ 篠原 (2005) p.81 によるが、篠原 (2002) p.129では東西約80km、南北約40km となっている。
  3. ^ 記事本文の数値はエチオピア当局の世界遺産推薦書に基づくが、竹内啓一総編集 (2012) 『世界地名大事典3 中東・アフリカ』朝倉書店、p.411では、2274km2とされている。
  4. ^ 「ワーガ」は1990年代にほぼ毎年数ヶ月ほどコンソでフィールドワークをおこなっていたという篠原徹の表記。英語文献では waka と表記されている (ICOMOS (2011) p.7)。
  5. ^ 限られた農耕可能な土地は開墾し尽くされるが、3箇所だけ、聖なる森とされて、もともとの植生が残されている地域がある。それらは儀礼的な意味を今も保っている(篠原 (2005) pp.91-92)。

出典

  1. ^ a b c d ICOMOS (2011) p.2
  2. ^ a b c 篠原 (2005) p.81
  3. ^ a b c Ethiopia (2009) p.8
  4. ^ a b c d e f g h 竹内啓一総編集 (2012) 『世界地名大事典3 中東・アフリカ』朝倉書店、p.411。「コンソ」の項目担当者は藤本武。
  5. ^ a b c 地球の歩き方編集室 (2008) 『地球の歩き方E09 東アフリカ2008 - 2009』ダイヤモンド・ビッグ社発行、ダイヤモンド社発売、p.181
  6. ^ a b c Ethiopia (2011) p.9
  7. ^ 篠原 (2002) p.130
  8. ^ 篠原 (2002) p.129
  9. ^ a b ICOMOS (2011) p.7
  10. ^ 篠原 (2005) pp.117-118
  11. ^ 篠原 (2002) pp.30, 32
  12. ^ 篠原 (2005) p.90
  13. ^ a b 篠原 (2002) p.132
  14. ^ 篠原 (2002) p.156
  15. ^ a b 篠原 (2002) p.149
  16. ^ 篠原 (2002) pp.149, 152
  17. ^ 篠原 (1998) pp.97-100
  18. ^ 篠原 (1998) pp.99-100
  19. ^ 篠原 (2002) pp.149-150
  20. ^ a b 篠原 (2002) p.158
  21. ^ 篠原 (2002) pp.137-138
  22. ^ 篠原 (1998) p.91
  23. ^ 篠原 (1998) pp.91-92
  24. ^ a b c Konso Cultural Landscape - World Heritage Centre
  25. ^ 篠原 (1998) pp.87-88
  26. ^ 篠原 (1998) p.88
  27. ^ 国際農林業協力・交流協会 (2006) pp.48,51
  28. ^ 篠原 (2002) pp.132, 134
  29. ^ 篠原 (2005) p.81
  30. ^ a b c 篠原 (2002) p.142
  31. ^ 篠原 (2002) pp.142-143
  32. ^ a b 篠原 (2005) p.103
  33. ^ 篠原 (2002) p.143
  34. ^ 篠原 (2002) p.146
  35. ^ 篠原 (2002) p.147
  36. ^ 篠原 (2002) pp.147-148
  37. ^ 篠原 (2002) p.145
  38. ^ 篠原 (2002) p.145、篠原 (2005) p.83
  39. ^ a b c 篠原 (2005) pp.84-88
  40. ^ 篠原 (2002) p.147、篠原 (2005) p.85
  41. ^ 篠原 (2002) p.159
  42. ^ 篠原 (1998) pp.124-129
  43. ^ 篠原 (2005) p.116
  44. ^ 篠原 (2002) pp.139-142
  45. ^ a b c 篠原 (2002) p.139
  46. ^ 篠原 (2005) pp.114-115
  47. ^ 篠原 (2002) p.140
  48. ^ 篠原 (2002) pp.135-136
  49. ^ http://whc.unesco.org/en/list/1333/assistance/
  50. ^ ICOMOS (2011) p.3
  51. ^ ICOMOS (2011) pp.3-4
  52. ^ ICOMOS (2011) p.8
  53. ^ ICOMOS (2011) p.15
  54. ^ a b 35COM 8B.18:Cultural Properties - Konso Cultural Landscape (Ethiopia)
  55. ^ 日本ユネスコ協会連盟 (2012) 『世界遺産年報2012』東京書籍、p.20
  56. ^ 世界遺産アカデミー監修 (2012) 『すべてがわかる世界遺産大事典・上』マイナビ、p.307
  57. ^ 谷治正孝監修 (2013) 『なるほど知図帳・世界2013』昭文社、p.156
  58. ^ 『新訂版 世界遺産なるほど地図帳』(講談社、2012年)、p.57
  59. ^ 市原富士夫「世界遺産一覧表に新規記載された文化遺産の紹介」(『月刊文化財』2012年1月号)p.18
  60. ^ 古田陽久 古田真美 (2011) 『世界遺産事典 – 2012改訂版』シンクタンクせとうち総合研究機構、p.7
  61. ^ a b ICOMOS (2011) pp.9-10
  62. ^ a b 諏訪元 (1997) 「エチオピア、コンソ遺跡群の古人類学調査」(『Ouroboros』第1巻第3号)
  63. ^ 馬場 (1997) pp.81-82, 105
  64. ^ 馬場 (1997) ppp.81-82
  65. ^ 最古級、原人の石おの エチオピア南部の遺跡で発見 :日本経済新聞(2013年1月29日)(2013年7月1日閲覧)
  66. ^ 古田陽久 古田真美 (2009) 『世界遺産ガイド - 暫定リスト記載物件編』シンクタンクせとうち総合研究機構、p.17


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