グリッド‐コンピューティング【grid computing】
読み方:ぐりっどこんぴゅーてぃんぐ
ネットワークを介して複数のコンピューターを結びつけることにより、スーパーコンピューター並みの高速処理を実現するシステム。分散コンピューティング。→ハイパフォーマンスコンピューティング
グリッドコンピューティング(グリッドコンピューティング)(grid computing)
ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータが連携することによって、処理を分散させる技術のこと。それぞれのコンピュータの性能が低くても、全体として高い性能を発揮することが可能になる。
地球外生命体から発信された電波を探し当てるプロジェクト「SETI@home」は、グリッドコンピューティングの典型的な例である。1999年にカリフォルニア大学バークレー校で始まったSETI@homeでは、電波の周波数解析に膨大な計算が必要になるため、インターネットに接続された複数のコンピュータの空き時間を利用して解析にあたっている。
広島大学は、学内にある500台の学生用PCをグリッドコンピューティングに活用する共同研究を2005年度に開始する。夜間や長期休業などのPCの遊休時間にOSを切り替えて、スーパーコンピュータ並みの処理能力を発揮させる。大学の研究者や学生を始め、地域の企業にも開放するという。
現在、産業界では、大型コンピュータよりも費用対効果が優れているとして、グリッドコンピューティングを取り入れる企業が増えている。
(2004.12.06掲載)
グリッドコンピューティング
【英】distributed computing, grid computing
グリッドコンピューティングとは、ネットワークを介して複数のコンピュータを結び付けることで1台の仮想的な高性能コンピュータを構成する技術である。
グリッドコンピューティングは、従来はスーパーコンピュータで行っていたような複雑で時間のかかる計算を、ネットワーク上に分散しているワークステーションやパソコンなどを利用して代替しようとする構想である。グリッドコンピューティングでは、個々のコンピュータの性能は低くても、複数のコンピュータに並行、かつ、分散して処理させることで、大量の情報を高速に処理することができる。
グリッドコンピューティングは、学術分野での研究として行われてきたが、インターネットの普及とコンピュータの性能向上に伴い、一般家庭のパソコンがグリッドコンピューティングに参加することも珍しくなくなった。
なお、グリッドコンピューティングのグリッドという名称は電力網(パワーグリッド)からきており、電源プラグをコンセントに差し込む要領でコンピュータリソースを利用できるようなスタイルを目指して名付けられた。
参照リンク
Grid Computing Info Centre (GRID Infoware)
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グリッド・コンピューティング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/02 17:10 UTC 版)
グリッド・コンピューティングは、インターネットなどの広域のネットワーク上にある計算資源(CPUなどの計算能力や、ハードディスクなどの情報格納領域)を結びつけ、ひとつの複合したコンピュータシステムとしてサービスを提供する仕組みである。提供されるサービスは主に計算処理とデータの保存・利用に大別される。一箇所の計算センターや、一組のスーパーコンピュータでは足りないほどの大規模な計算処理や大量のデータを保存・利用するための手段として開発されている。
- ^ 『グリッド――情報社会の未来を紡ぐ――』 pp.3~4
- ^ 『グリッド――情報社会の未来を紡ぐ――』 p.3
- ^ http://www.globus.org/Globus
- 1 グリッド・コンピューティングとは
- 2 グリッド・コンピューティングの概要
- 3 参考文献
グリッド・コンピューティング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/02 03:19 UTC 版)
「Linuxクラスター」の記事における「グリッド・コンピューティング」の解説
インターネットなどの広域で共有されたネットワーク上でコンピュータ資源(処理能力、記憶能力)を共有する仕組み。模索中であるが、商用のサービスが行われ始めている。Globusツールキットが事実上の標準になりつつある。特にLinuxとは限定していない。
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グリッド・コンピューティング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/25 13:20 UTC 版)
「並列計算」の記事における「グリッド・コンピューティング」の解説
詳細は「グリッド・コンピューティング」を参照 グリッド・コンピューティングは、並列計算の中でも最も分散された形態である。遠隔にあるコンピュータをインターネットで相互接続して構成され、1つの問題を共同して解く。インターネットは利用可能な帯域幅が低く、レイテンシが大きいため、自明な並列性を持つ問題に使われることが多い。グリッド・コンピューティングを利用した分散コンピューティングプロジェクトが数多くあり、SETI@homeやFolding@homeがよく知られている。 多くのグリッド・コンピューティングは、オペレーティングシステムとアプリケーションの間に特有のミドルウェアを置き、ネットワークリソースの管理やアプリケーション向けのインタフェースの標準化を行っている。よく知られたグリッド・コンピューティング用ミドルウェアとして、Berkeley Open Infrastructure for Network Computing (BOINC) がある。グリッド・コンピューティング用ソフトウェアでは、コンピュータが何もしていない時間を使うため、その時間を「スペアサイクル(spare cycles)」と呼ぶことが多い。
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グリッドコンピューティング
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「日本のスーパーコンピュータ」の記事における「グリッドコンピューティング」の解説
2003年に日本はNational Research Grid Initiative (NAREGI)という科学と技術研究のための次世代計算社インフラストラクチャとして超高速ネットワークによる高性能スケーラブルグリッドの開発を目的としたグリッドコンピューティングの計画を開始した。
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固有名詞の分類
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