ベクター
英訳・(英)同義/類義語:vector, Vectors
遺伝子工学や遺伝子組み換え実験に使う目的で、薬剤耐性遺伝子や都合のいい制限酵素部位などを追加して異種DNAのクローニングや形質転換実験に使いやすくしたプラスミドやウイルスまたは、そのDNAの総称。
実験方法装置単位など: | プラスミドクローニングベクター プロテオミクス ヘッケルの系統樹 ベクター ホモ接合体テスト ホールマウントin situハイブリダイゼーション メルト温度 |
ベクター (遺伝子工学)
(クローニングベクター から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/01 09:54 UTC 版)
ベクター (vector) とは、外来遺伝物質を別の細胞に人為的に運ぶために利用されるDNAまたはRNA分子である。任意の遺伝子やDNA、RNA配列を導入先の細胞内で増幅・維持・導入させる、いわゆる遺伝子組換え技術に用いられる。具体的には、プラスミドやコスミド、ラムダファージ、および人工染色体等を指す。これらのベクターは実験操作を簡便にする目的で、複製起点、マルチクローニングサイト、および選択マーカーを持つことが多い。語源はラテン語の運び屋 (vehere) に由来する。外来DNAを含むベクターは通常、組換えDNAとみなされる。
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- 1 ベクター (遺伝子工学)とは
- 2 ベクター (遺伝子工学)の概要
- 3 人工染色体ベクター
- 4 ベクター中に付加される機能の例
- 5 参考文献
- 6 関連項目
クローニングベクター
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「ベクター (遺伝子工学)」の記事における「クローニングベクター」の解説
クローニングベクターの例 模式図 lac promoter: ラクトースオペロンの広義のプロモーター。イソプロピル-1-チオ-β-ガラクトシド (IPTG) 等の存在下でlacZ αとMCSに挿入された配列を転写する。 MCS: マルチクローニングサイト。様々な制限酵素に認識される配列が存在する部位。これを適当な制限酵素で切断し、外来のDNA配列を挿入する。 lacZ α: lacZのα断片。MCSに外来DNAが挿入されると機能するlacZ αタンパク質が翻訳されなくなる。このため、lacZ ωをもつ宿主に形質転換した際にブルー・ホワイトセレクションで挿入断片の有無を簡易検定できる。 ampicillin resistance gene: 抗生物質耐性遺伝子の一種。アンピシリン存在下でも宿主の大腸菌が増殖することを可能にする。従って、このベクターをもっている大腸菌のみを選択的に得ることができるようになる。他の抗生物質の耐性遺伝子を持つベクターもある。 ColE1: 大腸菌内でプラスミドを複製するための複製起点。比較的多数のプラスミドを1細胞内に保持する。
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