ギャグ化による衰退とは? わかりやすく解説

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ギャグ化による衰退

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 14:58 UTC 版)

スポ根」の記事における「ギャグ化による衰退」の解説

スポ根漫画全盛期である1960年代には多く読者支持得たが、その一方で精神主義芝居がかった演出には当時から批判的な意見があった。1975年から1978年にかけて『週刊少年ジャンプ』連載され野球漫画1・2のアッホ!!』(コンタロウ)や、1977年から1980年にかけて『週刊少年ジャンプ』連載され野球漫画すすめ!!パイレーツ』(江口寿史)では、そうした批判的視点背景従来スポーツ漫画ギャグ漫画要素取り入れスポ根的な価値観風刺した1980年代に入ると、「直向きさ」「努力」「根性」といった価値観格好の悪いもの、ダサいものとして見做されるようになっていた。1978年から1983年にかけて連載され格闘漫画1・2の三四郎』(小林まこと)では、主人公東三四郎周囲から「直向き」や「熱血と見られることを恥じて隠そうとする姿が描かれている。本作品の17巻では、主人公と仲間たちが『巨人の星』の登場人物の「互い健闘を讃えあい涙を流す」姿に共感し涙を流したところ、ヒロインからそれを咎める台詞投げかけられ背を向ける姿も描かれている。これについて比較文学者のヨコタ村上孝之は『巨人の星』に「神聖さ滑稽さ」「理想気恥ずかしさ」の相反する感情を抱くことは1950年から1960年生まれ読者共有され体験であり、同作ひときわパロディ対象となった理由としている。 1984年少女誌の『花とゆめ』で連載され野球漫画甲子園の空に笑え!』(川原泉)では、かつてのスポ根漫画における「感動のあまり涙を流す」「仲間同士による抱擁」といった友情や絆を表す表現を「交感神経の異常」と冷めた視点でとらえ、努力根性とは無縁脱力的で寓話的な雰囲気のまま大会勝ち上がる姿が描かれた。 また1980年代初頭お笑いブームの際、コント赤信号ヒップアップなどのお笑いグループ学園ものやスポ根ものをコント取り入れ、「不良生徒教師殴られ改心し皆で夕日向かって走っていく」や「瞳の中に燃え盛る炎」などのシーン再現し笑い対象としていたが、放送作家高平哲郎は「こうしたコントで沸く若者知らず知らず学園ものやスポ根ものに反発感じていたのだ。いわば彼らにとって息抜きの場だった漫画なのに、父と子根性努力などを教育されてしまった反発スポ根コント笑える原動力となっているのだろう」と評した。 かつて一般大衆価値観反映したといわれたスポ根は、1970年代末から勃興したギャグ化の流れの中で嘲笑対象となり衰退した

※この「ギャグ化による衰退」の解説は、「スポ根」の解説の一部です。
「ギャグ化による衰退」を含む「スポ根」の記事については、「スポ根」の概要を参照ください。

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