ガス‐こんろ【ガス×焜炉】
ガス焜炉(気体燃料)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 02:17 UTC 版)
都市ガスやプロパンガス (LPG) の可燃性気体を燃料とする焜炉。安定した火力で調理する際に威力を発揮する。その一方で小型の物は常温下では安定した火力が簡単に得やすいことから、沸点が高くカートリッジの耐圧製が低くできるブタン(ガスライターの燃料)や混合ガスを充填したカートリッジを使用する。 プロパンや都市ガスなどを使用する据え置きタイプの物は火力の調節が簡単で、炒め物などの高温を必要とする調理から煮物などの弱火を長時間用いる調理にまで、幅広く用いることが可能である。簡易式のカートリッジを使うタイプでも他の移動式焜炉より点火が簡便で、また高温も得やすい。 燃料とするガス種類は大きく分けて、メタンを主成分とする天然ガスと、高圧下で液体にしてタンクに貯蔵してあるプロパン・ブタンを主成分とする液化石油ガスがある。ガス種にあう焜炉を用いないと適切な燃焼状態を確保することが困難である。部品交換により燃料転換修理も可能な焜炉も少なくないが、意外と料金がかかる場合がある。 温度や気圧で揮発・膨張率に大きな差が生じることから、液化石油ガスをカートリッジに入れて用いる卓上用(カセットこんろ)およびキャンプ用のカートリッジガスこんろは、寒冷地や高山地帯における使用に支障をきたすことがある。そのため、一般的にカートリッジにはブタンが充填されるところ、冬季用ではより沸点の低いイソブタン、またはプロパンも混入されている。 換気が適切でない室内において燃焼を継続すると、不完全燃焼による一酸化炭素を発生させ一酸化炭素中毒による事故となる。ガス漏れの際に嗅覚で容易に発見するために家庭用ガスには付臭することが法で定められていることや、ガス機器や配管損傷を主とする大量の漏れに対しては、ガスメーターの安全装置およヒューズガス栓が作動しガス供給遮断される等の対策が施されている。焜炉での事故は誤使用に起因することが多いが、安全保護機能を備え付けられたガス焜炉の普及により減少傾向となった。
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