カスタマーエクスペリエンスとは? わかりやすく解説

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カスタマー‐エクスペリエンス【customer experience】


カスタマーエクスペリエンス

別名:顧客体験カスタマエクスペリエンス
【英】customer experience, CX

カスタマーエクスペリエンスとは、企業企業ブランド顧客との間で生じ一連のやりとり通じて顧客意識的無意識的に得る満足度ロイヤルティ、およびその度合い、あるいは、それを向上させる取り組みのことである。

カスタマーエクスペリエンスの概念は、ユーザーエクスペリエンスUX)になぞらえて捉えることも可能ではあるが、むしろ商品販売サービス提供における質的満足や金銭的満足と対比して、質の高さや価格安さだけでは捉えきれない総合的な満足度の高さとでもいうべき観点捉えられる企業顧客との各接点見出される満足(または不満足)の度合い積み重なった総合的な評価がカスタマーエクスペリエンスであるといえる

たとえば飲食店であれば商品品揃え豊富さ価格安さ付帯サービス充実度、店内居心地のよさ、店員親切さ、あるいは決済手段充実度、等々あらゆる接点評価要因となる。カスタマーエクスペリエンスの向上には個々接点改善するだけでなく、各接点統括的に磨き上げる取り組みが必要となる。


カスタマーエクスペリエンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/02 15:01 UTC 版)

カスタマーエクスペリエンス (: Customer experience、「CX」とも略記)は、商業の場で、顧客が組織と接点を持つ期間中の一連の交流の結果、顧客が得る認識である[1]顧客体験とも。

概要

基本的な意味としては、顧客側が企業と接している中で感じる体験の内容であり、ある人が顧客としてある企業と接する中で、体験したり感じたりすることである。ただし、 カスタマーエクスペリエンスは、合理的、感情的、感覚的、肉体的、精神的など、さまざまなレベルでの顧客の関与を意味する[2]。 顧客は企業との「直接的接触」にも「間接的な接触」にも、様々に反応する[3]。 直接的な接触は通常、顧客が商品を購入または使用開始したときに発生する。間接的な接触は、広告ニュースレポート、営業担当者との計画外の接触、口コミによる推奨や批判などで起きる[4]

「カスタマーエクスペリエンスが優れている」とは、一連の交流中の各接点での顧客側の体験内容が、顧客側の期待していたところと一致することを意味する。

ガートナーは、カスタマーエクスペリエンス管理の重要性を指摘している[5]

当記事では、顧客体験やCXという用語を純粋に顧客側の体験という意味で使い、顧客体験やCXだけで、カスタマーエクスペリエンス 「の向上のためのとりくみ」 という意味では使わないようにする。[注 1]

詳細

細かく見ると、カスタマーエクスペリエンスには、カスタマーケア(コールセンターやチャット、ビジュアルIVRなどによるお客様対応)の品質だけでなく、広告包装WEBサイトECサイトアプリの操作性、商品の配送、返送・返品(リバースロジスティクス)、製品(プロダクト)とサービスの機能、使いやすさ、信頼性など、企業が提供するすべての側面が含まれる[6]。 店頭での対面など、顧客を対象としたビジネスで顧客がサービスを購入・利用・受領する場所で、小売店の従業員を通じた顧客との交流を通じて直接的な接点を築くことができる[7][要説明]。 また、企業の製品担当者やサービス、ブランド、批評、広告、ニュース、レポートから生じる間接的な接点も発生することがある。

カスタマーエクスペリエンスは、顧客の価値観だけでなく、体験を提供する企業の貢献によっても生み出される[8]。   購入の前後に顧客が体験するすべてのイベントが、カスタマーエクスペリエンスの一部となる。顧客が体験することは個人的なものであり、記憶に残る体験を生み出すために、感覚的、感情的、合理的、および物理的な側面が関係する。小売業界では、企業と顧客の両方がカスタマーエクスペリエンスの創出に大きな役割を果たしている[7]。  

近年の傾向

人々が商品をネット通販で購入する割合が増えているので[注 2]WEB上での接点、商品を(宅配などで)受け取る際の接点、返品する際の接点が、顧客体験に与える影響が大きくなってきている。

関連項目

脚注

  1. ^ Compare: Customer Experience Management: What it is and why it matters”. SAS. 2015年7月15日閲覧。 “Customer experience is defined as your customers' perceptions – both conscious and subconscious – of their relationship with your brand resulting from all their interactions with your brand during the customer life cycle.”
  2. ^ Verhoef, Peter C.; Lemon, Katherine N.; Parasuraman, A.; Roggeveen, Anne; Tsiros, Michael; Schlesinger, Leonard A. (2009-03-01). “Customer Experience Creation: Determinants, Dynamics and Management Strategies”. Journal of Retailing 85 (1): 31–41. doi:10.1016/j.jretai.2008.11.001. 
  3. ^ Janakiraman, Narayan; Meyer, Robert J.; Morales, Andrea C. (2006-12-01). “Spillover Effects: How Consumers Respond to Unexpected Changes in Price and Quality” (英語). Journal of Consumer Research 33 (3): 361–369. doi:10.1086/508440. ISSN 0093-5301. http://jcr.oxfordjournals.org/content/33/3/361. 
  4. ^ C, Meyer; A, Schwager (2007). “Understanding Customer Experience”. Harvard Business Review 85 (2): 1–12. PMID 17345685. 
  5. ^ How to Approach Customer Experience Management”. Gartner.com (2004年12月27日). 2016年7月15日閲覧。 “Summary[:] Managing the detail of customer experiences is an important part of any customer relationship management strategy.”
  6. ^ “Understanding Customer Experience”. Harvard Business Review. https://hbr.org/2007/02/understanding-customer-experience 2018年6月9日閲覧。 
  7. ^ a b Andajani, Erna (2015-11-25). “Understanding Customer Experience Management in Retailing”. Procedia - Social and Behavioral Sciences 211: 629–633. doi:10.1016/j.sbspro.2015.11.082. 
  8. ^ Gentile, Chiara; Spiller, Nicola; Noci, Giuliano (2007-10-01). “How to Sustain the Customer Experience:: An Overview of Experience Components that Co-create Value With the Customer”. European Management Journal 25 (5): 395–410. doi:10.1016/j.emj.2007.08.005. 
  1. ^ 企業の現場(特にマーケティング部や販売推進部)やビジネストレーニングの場で「カスタマーエクスペリエンス」について言及する状況というのは、基本的には顧客からの評価を高めようという状況になっていることが多く、(聞く側の従業員も何を言いたいのか、だいたい分かっている状況で)言う言葉なので、本来なら「カスタマーエクスペリエンスの改善(を実現してください)」とか「カスタマーエクスペリエンスを管理せよ」などと言うべきところを、企業内の現場などでは、つい短縮しすぎて「カスタマーエクスペリエンス !」(や「CX !」)とだけ、まるで呪文や号令のように使われることが多い言葉ではあるが、それでは「顧客体験」という概念と、顧客体験の向上のためにすべきこと、という本来なら異なる概念の区別がつかなくなり、説明に混乱が生じるので、当記事ではそのような乱暴な短縮化は避けて正確に表現する。市販の読み物的なビジネス書などでも2つの概念をよく混同した使い方をしているが、書かれているからといって鵜呑みにせず、当記事ではできるだけ混同を避ける。
  2. ^ 人々の全購買金額に占めるネット通販のGMV(流通取引総額)の割合が増加してきている(EC化率が高まっている)。経済産業省の調査によると、令和2年度EC化率はBtoC-ECで8.08%(前年比1.32ポイント増)、BtoB-ECで33.5%(前年比1.8ポイント増)と増加傾向にある。


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