オーケストラの分割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/07 06:28 UTC 版)
「フィルハーモニア・チューリッヒ」の記事における「オーケストラの分割」の解説
1985年、TTOはトーンハレ管弦楽団と歌劇場管弦楽団とに分かれる。この離別には1984年の歌劇場改築、またそれに先立つ1980年のチューリッヒ市の芸術に関する政治的議論とそれに対する若者たちの暴動が背景にある。 トーンハレ協会からの独立後、チューリッヒ歌劇場管弦楽団はスイス唯一の劇場専属オーケストラとなる。音楽監督ラルフ・ヴァイケルト(1985年 - 1992年)のもと、以前のTTO劇場グループは徐々に拡大されていき、例えば、年に6回前後のオーケストラ・コンサート(Philharmonische Konzerte)を開くなど、活動範囲も広げていく。 1994年、オーケストラの中に古楽器演奏のアンサンブル「ラ・シンティラ」(La Scintilla)が立ち上げられる。まもなくこの活動は劇場の仕事の中に組み入れられ、今日チューリッヒ歌劇場は、古楽器の特別なアンサンブルを、例えばニコラウス・アーノンクール、ウィリアム・クリスティ、クリストファー・ホグウッド、ジョヴァンニ・アントニーニのような古楽の分野の指揮者たちにいつでも提供でき、共演することができる。 1991年から2012年まで、劇場総支配人アレクサンダー・ペレイラはオーケストラの活動に大いに手腕を発揮し、フランツ・ウェルザー=メストが首席指揮者(1995年 - 2008年、2005年からは音楽総監督)を務めていた間、歌劇場及びオーケストラが国際的な名声を得るべく力を注ぎ、数多くのDVD制作、テレビ録画などがなされた。多数の客演指揮者、リッカルド・シャイー、クリストフ・フォン・ドホナーニ、ウラジーミル・フェドセーエフ、ジョン・エリオット・ガーディナー、ヴァレリー・ゲルギエフ、ベルナルト・ハイティンク、ニコラウス・アーノンクール、ハインツ・ホリガー、ズービン・メータ、インゴ・メッツマッハー、ジョルジュ・プレートル、ネロ・サンティ、ラルフ・ヴァイケルト、イヴァン・フィッシャー、アダム・フィッシャーなどが招かれ、オーケストラと共演した。2009年から2012年までダニエレ・ガッティが首席指揮者を務める。 2000年/2001年シーズン、ドイツのオペラ誌『オーペルンヴェルト』(Opernwelt )のアンケートにより「今年のベスト・オペラ・オーケストラ」に選ばれ、このオーケストラの力量と実績が国際的に知られることになる. 2007年9月、チューリッヒ歌劇場は初めての日本公演を行う。ウェルザー=メスト指揮のもと、ヴェルディ『椿姫』、リヒャルト・シュトラウス『ばらの騎士』を上演、大好評を博す。音楽評論家、記者による「音楽の友、2007ベストコンサート」(音楽之友社刊)で第1位に選ばれる。 2014年、チューリッヒ歌劇場はイギリスの国際オペラアワード(International Opera Awards)より「年間最優秀オペラハウス」に選ばれた。
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