ウィンドフォール・プロフィット・タックスとは? わかりやすく解説

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ウィンドフォール・プロフィット・タックス


超過利潤税

読み方ちょうかりじゅんぜい
【英】: windfall profit tax
同義語: ウィンドフォール・プロフィット・タックス  
略語: WPT

一般的には企業収益適正利潤超えたときにその超過分を税収として吸収しようとして設けられるのが超過利潤税であるが、原油生産者については、二度にわたる石油危機に伴う原油価格高騰や、原油価格規制撤廃に伴う価格上昇などにより、原油生産者にとって予定外の超過利潤発生したとして、それを税収として吸収するために設けられている。原油に関する超過利潤税の形態各国異なっているが、主要な国における形態以下のとおりである。(1) 米国国産原油価格規制撤廃伴って 1980 年導入された。根拠法となる超過利潤税法(Windfall Profit Tax Act)によると、まず国産原油課税原油非課税原油分け非課税原油には、政府慈善団体所有資産あるいはインディアン、アラスカ・エスキモー所有油田からの生産などが含まれる課税原油三分類され1979 年 5 月価格規制撤廃以前生産井対す税率高くし、新規生産井ストリッパー井、二・三次回収による生産に対して税率低くしている。超過利潤税額の計算は、(販売価格インフレ調整ベース価格-州の生産税)×税率となっている。超過利潤税は 1990 年までの時限立法であり、当初予定税収額 2,273ドル達成されれば 1988 年以降廃止されることになる。(2) オーストラリア1960 年代後半バス海峡Kingfish始めとする大油田の発見が相次ぎ、これらの国産原油開発容易にするために、国内石油精製製品販売を行う業者は、国産原油割当てに従って引き取ることが義務付けられた。その引取価格当初国際価格+αその後 1978 年 9 月よりアラビアン・ライトCIF 価格参考政府決定する方式になったが、国際油価高騰したことにより、国内原油生産者超過利潤を得ることになったとして、生産者に対して物品税(1evy)の税率引き上げの形で超過利潤税を課すことになった物品課税1975 年から存在していた)。課税対象原油三分され、1975 年 9 月 16 日以前発見されたオールド・オイルが最も高い税率になっている(3) 英国英国の場合は、石油収入税PRT)が超過利潤税に相当する1974 年 7 月労働党政権下で「英国海域石油・ガス政策」と題する白書がまとめられそのなかで北海原油ガス生産から上がる税収全体50 %にも満たず残り国外流出しているとの指摘がなされ、それを受けて 1975 年石油税法により、それまでロイヤルティ法人税加えて新たな税収源として新設されたのが PRT である。その後価格高騰による原油生産者収入増を吸収するために税率引き上げてきており、 1984 年末現在で PRT 税率75 %に達しロイヤルティ法人税合わせた政府取り分は最高で 80以上に達している。なお、同様の趣旨石油付加税SPD)が 1981 年から導入されたが、1982 年末で廃止され代わりに前払石油収入税(APRT)が 1983 年から導入された。しかし、この APRT も漸減され、1986 年末までに全廃されることになっている(4) ノルウェーノルウェー:の場合は特別税が超過利潤税に相当する。同制度英国PRT導入した 1975 年創設され創設され目的英国PRT と同じである。1984 年現在で特別税の税率35 %であり、課税方法は、法人税算定する基準利益に対して法人税別に徴収される方式である。



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